国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に参加する共同通信のパナマ文書分析で8日、インターネット通販大手楽天の三木谷浩史会長兼社長がタックスヘイブン(租税回避地)法人の株主となっていたことが分かりました。
ICIJは日本時間10日午前3時にホームページで文書の一部情報を公表する予定。多くの目でチェックしてもらうことで、より分析を深めたい考えで、「調査に値するものを見つけた場合」には情報を提供するよう呼び掛けています。
パナマ文書 提供者が声明 「犯罪責任追及のため」と強調
タックスヘイブン(租税回避地)に関するパナマ文書の匿名提供者は6日までに、暴露の目的についてパナマの法律事務所とその顧客による「犯罪の責任を追及するため」と強調し、各国政府や情報機関との関わりを否定する声明を出しました。
身元や文書入手の方法は明かしませんでした。提供者が見解を公表するのは初。声明は、提供者が文書を渡した南ドイツ新聞に対して送られ、パナマ文書報道参加メディアに明らかにされました。
「パナマ文書」を調べている国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は26日、調査対象となっている20万社以上の法人に関する情報を日本時間5月10日午前3時に公開することを明らかにしました。
公開はICIJのホームページ上。対象には香港や米ネバダ州など21カ所に設立された法人や財団が含まれ、200を超す国・地域の個人が関わっているといいます。
インドネシア有力紙コラン・テンポは25日、タックスヘイブン(租税回避地)利用者の情報を暴露した「パナマ文書」の中に、インドネシア有力閣僚のルフット政治・治安担当調整相の名前があったと報じました。
ルフット氏は、2014年の大統領選挙当時からジョコ大統領を支えた側近中の側近。疑惑が進退問題に発展すれば、政権に大きな打撃となりそうです。
「パナマ文書」問題の発端となった法律事務所のあるパナマの政権ナンバー2の副大統領が、各国と協力して信頼回復を目指す考えを強調しました。
「パナマ文書」流出元の事務所を捜索 パナマ検察
パナマの検察当局は12日、タックスヘイブン(租税回避地)に関する「パナマ文書」の流出元の法律事務所「モサック・フォンセカ」本部(パナマ市)を家宅捜索しました。
組織犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)の捜査のため、最近設立されたチームが関係書類を押収。今後、同事務所に違法行為があったかどうか調べます。
一方のモサック・フォンセカ側は、文書の流出は外部からのハッキングによるものと主張。一切の違法行為への関与も否定し、情報流出の被害者として捜査当局に告訴しました。
G20で租税回避の対策を議論へ 「パナマ文書」受け
麻生太郎財務相は12日の閣議後の記者会見で、米ワシントンで14~15日に開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「租税回避や脱税の防止などが議論される」との見通しを表明しました。
租税回避地の金融取引を巡る「パナマ文書」が明るみに出たことで、対応策が議題に上る方向となりました。麻生氏は、先進国を中心に各国間で税務情報を交換する現在の枠組みを、途上国にも拡大していく必要があるとの認識を示しました。
モディリアニの絵画を押収 「パナマ文書」で所有者浮上
タックスヘイブン(租税回避地)を巡る「パナマ文書」の流出を受け、スイス・ジュネーブの検察当局は11日までに、モディリアニの絵画をジュネーブで押収、関連の捜査を開始しました。
長年秘密とされてきた所有者が浮上したためで、絵画をめぐる不透明な資金の流れにメスが入る可能性があります。
海外メディアによると、絵画は1918年の作品で、ナチスが第2次大戦中にユダヤ人から略奪したとされています。少なくとも2500万ドル(約27億円)相当の価値があるといいます。
各国の首脳や富裕層らがタックスヘイブンを利用し、課税逃れをしていた疑惑が次々と明らかになり、各国の政府は今週、対応を協議する見通しです。
キャメロン英首相は10日、過去6年分の納税状況を記した報告書を初めて公開しました。課税逃れを追及する専門チーム設置も併せて発表。
「パナマ文書」で亡父がタックスヘイブン(租税回避地)に設けたファンドへの投資が明らかになり、強まる自身への批判をかわす狙いがあるとみられます。
報告書では、新たに2011年に母親から20万ポンドの贈与を受けていたことが判明。亡父が租税回避地に設けたファンドからの資金だったのか、疑惑が深まりそうです。