全国に数多く存在する心霊スポット。この世に想いを残した様々な霊の中には、人間を祟ろうとする、いわゆる怨霊も存在する。だから、そういった場所に軽い気持ちで近づいてはいけないのだ。テレビの企画なんて、もってのほか。何かが起こったとしても、文句は言えない......。
"Mr.都市伝説" 関暁夫がMCを務めるストーリーテリングバラエティ「Mr.都市伝説 関暁夫のゾクッとする怪感話」(毎週金曜深夜0時放送/BSテレ東)。巷でささやかれる都市伝説、人智を超えた超常現象、人間の悪意と狂気......様々なゾクッとする話を人気声優の朗読劇でお届け。
5月14日(金)の放送では、前回に引き続き安元洋貴(「鬼灯の冷徹」鬼灯役など)と、日笠陽子(「けいおん!」 秋山澪役など)が登場。今や絵文字にもなった「てへぺろ」という言葉、実は日笠が作ったのだそう。もし著作権を取っていたら「てへぺろ御殿建ってたんですよ」と語った。
怪感話#24
「廃モーテル」
ある夏の日の夜。グラビアアイドルの華村キョウコ(日笠)は、番組の企画で廃モーテルを訪れていた。キョウコが語るのは、学生時代にここを訪れた時の体験談。焦げた匂いがして、2階の窓から女が「助けてー!」と叫んでいたという。実は昔火事があり、亡くなった人が今でも自分の死に気付かず、助けを求めているのだとか......。
番組は盛り上がったが、キョウコの心は晴れない。その場の思いつきで嘘の体験談を喋っていたからだ。テレビに出るためとはいえ、後ろめたさを抱えて帰宅すると、番組MCのヤマモト(安元)から電話が。ロケで撮った廃モーテルの写真に、男女が写っているというのだ。
スタッフが調べたところ、廃モーテルで実際に火事があり、カップルが死んでいた。知り合いの霊能力者によると、その霊がキョウコに憑いているという。今からお祓いをしに行くから、住所を教えろというヤマモト。警戒したキョウコが、事務所から住所を止められていると告げても引き下がらない。仕方なく、番組での話は嘘で、霊が憑くなどありえないと告白した。
これで諦めるかと思いきや、ヤマモトは恐ろしいことを言い始める。以前番組で同じような嘘の体験談があったが、その場にいた何かが、自分の存在を知らせるためにしゃべらせていたのだと。それならますますお祓いが必要だというヤマモトに押され、キョウコは住所を伝えてしまった。
電話を切った途端、玄関のドアを叩く音が。何かが燃える匂いもしてくる。
「助けてください!」
ドアの向こうから、男(安元2役)が助けを求めてくる。その声はどんどん苦しそうな、切羽詰まったものに。これが廃モーテルの霊......? 部屋にはいつの間にか煙が充満して、息ができない。ドアを開けたいのに、外には霊が!
「あけて......あけ......て......」
「やめて、お願い!!」
気が付くと部屋は元通りになっていて、ヤマモトの知り合いに抱きかかえられていた。
この一件以来、キョウコは作り話を一切やめた。なぜなら、それは本当のキョウコの言葉ではないかもしれないから......。
スタジオトークでは、安元が少年時代の怖い体験談を。ベッドで寝ていると、ある時足を掴まれたような感覚が。とっさに般若心経を唱えると、胸元から人の声で「やめろ!!」と聞こえてきた......。日笠も、ラジオ番組を録音中に体験した奇妙な出来事を披露した。