医師や病院の選び方、病気に応じた治療方法など、医療に関するさまざまな疑問に、現役医師たちがお答えする、知的エンターテイメントバラエティ「主治医が見つかる診療所」。
年明け第一弾の収録が着々と進められる同番組の収録現場に、またまた読むテレ東編集部が行ってまいりました。
ということで今回は、レギュラー出演中の南雲吉則先生を直撃!
南雲先生といえば、62歳にはとても見えない若々しさで有名ですよね。さすがはアンチエイジング関連のベストセラーを数多く出版しているだけあります。
インタビュー開始前には、取材チーム全員に手を差し出して、握手。気さくな人柄にハッとさせられました。それから、ご本人を目の前にして最初に驚いたのは、62歳の南雲先生の肌の若々しさ。ふっくらした頬は、年齢を超えた健康的なたまご肌です......!
健康とアンチエイジングのためにあらゆる健康法を試した結果......!
そんな南雲先生ですが、38歳のとき父親が病気になったことをきっかけに、体のコンディションが激変してしまったそうです。
南雲先生:父の後を継がなければならなくなったストレスから、暴飲暴食をしたり、夜ふかししたり、時々隠れてたばこを吸ったりしていたら、みるみる体重が増えてしまいまして。マックスで80kgは越えましたね。気づいたら、心臓と関節に負担がかかって、常に腰とひざが痛いので、腰痛ベルトが手放せない体になってしまいました。
さらに不整脈も発生したので、さすがにこれはつらいなと。そこでなんとか健康を取り戻し、若々しく変身したいと奮起して、巷にあふれるさまざまな健康法を試してみたのですが、どれも僕には合わなかったんです。7年間あらゆる健康法を試してみましたが、なんの変化も得られませんでした。
苦節7年で行き着いた、南雲式健康法とは?
そんな南雲先生が苦節7年、ようやくたどり着いた健康法は、先生のベストセラーで紹介されて有名になったものばかりです。
南雲先生:僕が最終的に行き着いた健康法は、食事は1日1食、ごぼう茶を飲む、歩幅を最大にして歩く「スーパースター歩き」などの僕独自の健康法。それを講演会で話したのをたまたま出版社の人が耳にして出版に至り、若返りやダイエットの本などが大ベストセラーになりました。
現在は、毎朝起きたらまず、えごまオイルを手にとって口に含み、口の中をゆすぎます。さらに手に余ったオイルで顔マッサージ。特に小鼻の毛穴に詰まった汚れは加齢臭のもとにもなるので、念入りに。オイルによって、脂汚れが落ちやすくなるんです。最後に顔を軽く石鹸で洗って、口に含んだえごまオイルは飲み込みます。これで、1日に必要なオメガ3脂肪酸の補給も完了です。
それから朝起きて胃が重いと感じたら、朝食は抜き。代わりにバターコーヒーを飲みます。お昼はおにぎり1個でも食べると眠くなるので、代わりにナッツを食べています。特に、くるみや甘皮付きのアーモンドを2分の1から1パック食べています。ナッツには、オメガ3脂肪酸やアンチエイジングによいとされるレスベラトロールというポリフェノールも含んでいるんです。夕方近くになって、お腹が「グーグーグー」と3回ぐらい鳴るのを確認してから、夕食をとります(笑)。
最近は、甘酒ヨーグルトを飲んでいて、もしかしたらこれが若さの秘訣かもしれません。甘酒に乳酸菌を小さじ1杯加えることで、甘酒ヨーグルトになるんです。甘酒ヨーグルトを毎日コップに1杯飲むことで、便通がよくなるんですよ。
お酒をやめたら目覚めスッキリ!体調は絶好調に
最近、お酒をやめたという南雲先生。やめたことでのメリットについても伺いました。
南雲先生:僕はこれまで、若々しく健康であるということが、南雲式医学の証明になると考えて、いろいろ試行錯誤してきたのですが、唯一健康に悪いと思ってもやめられなかったのが、お酒だったんです。でも、昨年10月、すごく疲れているときにお酒を飲んだら、しばらく鳴りを潜めていた不整脈が出てきたんですよ。「もしかしたらこれはお酒のせいかな?」と思って、一旦やめてみたんです。そうしたら、すごく体調がよくなり、不整脈も消えました。同じく番組にレギュラー出演中の丁宗鐵先生もお酒をやめていたので、なぜお酒をやめたのかを聞いたら、「不整脈が出たから」と仰っていたので、あらためて納得できましたね。
以後、いっさいお酒を飲むのをやめたら、おもしろいようにいろんなメリットがありました。3kgぐらい体重が減ったほか、夜中に目覚めることもなくなり、今まで朝起きるのがだるかったのに、スパッと起きられるようになりました。本当に絶好調です。
とはいえ、仕事のつきあいなどでお酒を飲む機会が多いと、なかなかすっぱりお酒を断つのは難しいものです。
南雲先生:お祝いのときぐらいは飲んでもいいと思いますよ。ただ、次の日に仕事があるときなどはお酒を控えて、甘酒ヨーグルトをお飲みになるといいと思いますよ。
よく腸内環境は肌にも表れるといいますが、南雲先生が甘酒ヨーグルトで腸を整えていると思うと、うなずけます。
南雲先生:腸などの粘膜の調子がいいときは、肌の調子もいいと思います。逆に、ニキビができたときなどは、外食を控えて、自宅できんぴらごぼうとかおから、ヨーグルトなどをとるように気をつけてみてください。
南雲先生流の理想の医師のあり方とは?
今後、超高齢化社会に移行し、同時に医療技術も進歩するなかで、「人生120年説」ということがいわれていますが、それについての南雲先生の見解は?
南雲先生:僕が書いた本に、「50歳を超えても30代に見える生き方『人生100年計画』の行程表人生100年計画」というのがあるのですが、私たちの体の細胞は、120歳まで用意されていて、本来、100歳までは健康に暮らせるということを書いています。だから実はそんなに目新しい説ではないのです。
その代わり、120歳以上生き続けることはできないんですよね。だからいかに人生若々しく健康に生きるか?ということが重要なんだと思います。特に見た目が若々しいということは内面が若々しいということの表れですから、自分の見た目をひとつのバロメーターとして、自分に合った健康法を実践すれば、理屈では100歳までは楽々生きられるのではないでしょうか。
最後に、南雲先生がこれから活躍する若い医師に伝えたいことについて伺いました。
南雲先生:医者の仕事は3つあって、「ブルーカラー」「ホワイトカラー」「救急車」なんですよ。「救急車」は人命救助なのでわかりやすいと思いますが、ブルーカラーは最前線に立って医者として奔走し、汗をかくこと。ホワイトカラーは、自分で病院を経営したり、ビジネスモデルとしてちゃんと成立させたりすること。それから、医療を研究して学会で論文を発表すること。医者はどれが欠けてもいてもダメだと考えています。
たとえば、手術はうまいけど、論文が書けなかったり、経営をさせてみたらでたらめだったり。技術者として非常に優れていながら、経営も万全であることが僕の理想。もちろん、経済的な自立は医療の直接的な目的でありませんが、やはり理想の実現のためには経済的な自立は不可欠です。研究については、病院を開業すると全然論文を書かなくなる医者は多いけれど、やはりどれだけ研究して論文を残すかということが、医療の貢献においても重要だと思っています。そうした理想の実現のために、僕の弟子たちには、クリニックを1軒持たせて独立支援をするようにしています。
「まるで蕎麦屋ののれん分けのようですね」と、読むテレ東編集部の記者がいうと、南雲先生は、「そうそう、"医療界の藪蕎麦"を目指してがんばっていますよ」と笑いながら答えてくださいました。
数々の独自の健康法を編み出し、自ら健康と若々しさを体現する南雲先生。柔軟に独自の道を築いてきたのは、医者としてバランス感覚が優れているからなのだと、今回、インタビューを通じて感じました。
ということで、今回お話を聞いた南雲先生が、若々しく、かつエネルギッシュにレギュラー出演中の「主治医が見つかる診療所」は、毎週木曜放送中!健康にまつわるお役立ち情報が満載です。
番組名:「主治医が見つかる診療所」
放送日時:毎週木曜夜7時58分〜
司会:草野仁、東野幸治
アシスタント:森本智子(テレビ東京アナウンサー)
番組主治医:秋津壽男(循環器内科)、岡部正(内分泌内科)、上山博康(脳神経外科)、丁宗鐵(漢方)、中山久德(内科・リウマチ科)、南雲吉則(乳腺外科・形成外科)、姫野友美(心療内科)、森一博(消化器内科)