日本語・韓国語・英語・スペイン語が堪能、世界中を飛び回り、旅をしながらヨガを指導する、福岡「YOGABREEZE」のディレクターであり、NY発の「ジヴァムクティヨガ」のアドバンス指導者ヒッキーことパク ヒキさんによる連載。今回は、ヨガコミュニティでよく見かけるアクセサリー「マーラー(数珠)」の由来や使い方をご紹介します!
皆様はマーラー(数珠)を使った瞑想法、「Japa Meditation(ジャパメディテーション)」をご存知ですか? 正直、私が師匠のシャロン・ギャノン先生からその正しい使い方を学ぶまでは、マーラーはヨギーのアクセサリーぐらいにしか思っていませんでした。今回はそのマーラーの由来と使い方などをご紹介しますので、はじめての方もぜひチャレンジされてみてくださいね。
「Japa Meditation(ジャパメディテーション)」の意味と由来
数珠はヨガでは「Japa Mala ジャパ・マーラ」と呼ばれていて、ジャパは「唱える」、マーラは「輪」を意味します。そのジャパ・マーラーを使って一つ一つ数えながらマントラや神の名前などを繰り返し唱えることで、邪念が消え、絶え間なく集中することができます。この瞑想法を「Japa Meditation(ジャパメディテーション)」といい、マントラや聖なる言葉などを繰り返し唱え続けることによって起こる音の波動が精神を集中させ、意識を高いところに持っていきます。また、肉体を鍛えるよりも精神を鍛錬するための瞑想法でもあります。
「Japa Meditation(ジャパメディテーション)」は、声を出してマントラを唱える方法と、声を出さず心の中で唱える方法があります。伝統的には仏教、ヒンドゥー教、ジャニン教、シーク教などで使われてきましたが、現在ではそういった宗教を持たない方でも、気軽にマーラーを手に入れて瞑想の練習に取り入れています。
マントラに馴染みがない方は、マントラの代わりにご自分の呼吸を数えていくという、手軽に集中力を高めるマインドフルネスの体験をすることもできますので、いざ瞑想しようとしてもすぐに集中力が途切れてしまうという方には、特におすすめです。
マーラーの使い方
マーラーは108個のビーズと、グルビーズ(グル玉)と呼ばれるもう一つのビーズで構成されています。ビーズが108なのは、ヨガでは聖なる数字とされていて、マントラ(真言)を1回唱えるごとに、1つの珠を繰っていき、108回唱えたところでグル玉が回ってきて、そこで1つのサイクルが終了するためです。1サイクルが終わったあとも続けて行く場合は108回の倍数を唱えます。
ビーズを数えるときは、中指と親指を使って珠を送りながら数えます。この時、人差し指はビーズに触れないようにします。それは、人差し指がエゴを指す指といわれるためです。そして、私達の指は5行説によると、親指は「地球」、中指は「空」を意味し、私達人間は丁度その間にいてバランスをとっています。人指し指は「火」を象徴し、他人への怒りを表す指としても使われるので、瞑想のときにはマーラーに触れることを避けるという意味があるようです。
マーラーを使って瞑想をされる方は、こちらのビデオをぜひご参照ください。
Japa Meditationの効果
首にかけるだけ手首に巻くだけで、あるいは一目見るだけでもカルマ(業)や心が浄化されるほど強力なものとされており、インドでは、特に他とは比較できないほど、特別に神聖なものとみなされています。しかしそういった信仰を持たない方でも、神聖な言葉や呼吸に合わせて集中しながらビーズを動かしていくことで意識を今していることに自然と向けることができ、頭の中から余計な邪念が消えスッキリ整理されるでしょう。
マーラーの素材は目的や教義によって変わりますが、一般的に白檀や水晶、真珠、天然石などを使っているものが多く、高級なものになると菩提樹の実が使われています。選ぶときは自分の直感で選んだり、必要なエネルギーを持つ天然石などから選ぶことも良いでしょう。
皆様の日々のヨガの練習、マインドフルネス瞑想の練習にお気に入りのマーラを使ったJapa Meditationを取り入れて見るのはいかがでしょうか?
ライター/パク・ヒキ
福岡YOGABREEZEディレクター。NY発ジヴァムクティヨガのアドバンスティーチャー、瞑想指導者、E-RYT500。2008年に師匠のジヴァムクティヨガの創始者、シャロン・ギャノンとデイビッドライフ氏に出会い、ヨガとは「する」ものではなく、ヨガマットの上と外の両方で自分と内面と外面、自分自身と周りとが「調和する生き方を経験する」事だということを学ぶ。現在は。YOGABREEZEを拠点に、国内外のヨガカンファレンスやイベントでヨガ講師として活躍している。 Instagram: heeki park