パリで暮らす雨宮塔子さんのホームパーティを拝見。飾らず心を開いて向き合える友人たちとの和気あいあいとした時間をどう過ごしているのか。パリ流の「おもてなし」について教えてもらった。
雨宮塔子雨宮塔子
Toko Amemiya●TBSを’99年に退社し渡仏。西洋美術史を学び、パリ暮らしをつづったエッセーを多数刊行。TBS『NEWS23』のメインキャスター(’16〜’19年)を務めたあと、再びパリを拠点に執筆や番組等で活躍中。YouTube「À l’aube」by Toko and Mahoが好評!「雨宮塔子から見える景色」(東洋経済オンライン)連載中。
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好きと得意を持ち寄ったテーブルを囲んで、おしゃべりのつきない愛しい時間
12月という季節に合わせて雨宮さんが選んだメインディッシュは、お気に入りのシャルキュトリー店『アルノー・ニコラ』のパテ・アン・クルート。飲み物は、お店のソムリエさんの「細かい泡のシャンパーニュが合う」というアドバイスから、「テタンジェ」のミレジメを選んだ。
お肉系のメインならば、やはり野菜が欲しいところ。そこはサラダ上手のクリスティーナさんの出番。
「日本だと、ゲストに何かお願いするのを遠慮してしまうかもしれませんが、彼女がサラダが得意なのはみんなよく知っているので、無理のない範囲でお願いしてしまう。全員参加型なんです」と、雨宮さん。ホスト役のアイデアがもとになって、メニューが自由に発展してゆくのも楽しいところ。気の早い冬の西日の時間まで、おいしい会話が続く。
メインは、M.O.F.(フランス最優秀職人章)のタイトルをもつArnaud NICOLAS(アルノー・ニコラ)のパテ・アン・クルートとパテ。そしてクリスティーナさんのサラダ2種。上はチコリ、ビーツ、青りんご、クルミとスモークサーモンをタヒーナドレッシングで。下は、ほうれん草、カレーで風味づけをしてローストしたさつまいも、ザクロ、紫玉ねぎ、松の実、キヌアなどを取り合わせたサラダ。
デザートはLe Comptoir de Milana by Dossemont Parisというパン屋さんで調達。シュー生地のスイーツはできたてが最高。直前に買ったものにラズベリーを飾って。
インテリアのコーナーにしっくり溶け込む大人っぽい花飾り。花選びにもその人らしさが出るもの。12月だから赤や金というステレオタイプなものではなく、気分や好みで花材や色を選ぶそう。
右からクリスティーナ・コストさん、雨宮さん、木本真帆さん、濱村純さん。ロックダウンを経験したからこそ、こうして会えることが本当にうれしい時間。頻繁に誰かの家に集まっていても、常に話題はつきることなく……。
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撮影/吉田タイスケ ヘア/MIHARU OSHIMA メイク/YUMI ENDO(eight peace) 取材・原文/鈴木春江 ※エクラ2022年1月号掲載