ウェザーニュースは、2025年春の「第二回花粉飛散予想」を発表しました。
2025年は、2月上旬には東海や関東、九州北部でスギ花粉の飛散が始まる予想です。飛散量は西日本や北陸、関東北部で2024年春を大きく上回る見込みです。
また、過去10年の平均値(平年)と比較しても、平年を超える地域が多いとみています。特に、西日本では飛散量が平年比200%以上に達する地域もあり、過去10年で最も多いか、それに匹敵する飛散量となる予想です。
2月上旬からスギ花粉の飛散開始
花粉の飛散開始時期に影響する2024年12月〜2025年2月の気温は、西日本では平年よりやや低い〜平年並、東日本や北日本では平年並〜高い傾向となります。
ラニーニャ現象によって12月など冬の前半ほど平年より強い寒気が流れ込みやすく気温が低くなるため、スギなど飛散準備に必要な「休眠打破」が適度に起こる見込みです。
ラニーニャ現象は長続きせず、1月から2月は西の地域では寒気の影響で平年並の気温となり、東や北の地域では平年より気温が高めになる傾向から、2025年春の花粉の飛散開始時期は過去10年の平均と比較して、西日本では同等、東日本や北日本では早くなる予想です。
スギ花粉は、2月上旬に東海の一部で飛散が始まり、次いで関東や九州北部でも飛散開始となる予想です。2月中旬になると西日本と東日本、東北南部太平洋側を中心に広範囲で飛散が始まる予想です。
その後、3月上旬にかけて東北の各地でも飛散が始まるとみています。北海道のシラカバ花粉は4月中旬からの飛散となりそうです。
スギ花粉は2月中旬から本格的に飛散
スギ花粉が本格的に飛散するのは九州で2月中旬〜3月上旬、中国・四国や東海、関東・山梨は2月中旬〜3月中旬、近畿では2月下旬〜3月中旬の予想です。
北陸・長野、東北南部では2月下旬〜3月下旬、東北北部では3月上旬〜4月中旬とみています。
九州や中国・四国など早い所では3月中旬に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わってヒノキ花粉の飛散が多くなります。
ヒノキ花粉が本格的に飛散するのは九州や中国・四国で3月中旬〜4月上旬、近畿や東海、関東・山梨で3月下旬〜4月中旬、北陸や東北南部は4月上旬〜中旬とみています。ただ、北陸や東北南部ではヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少なくなる見込みです。
北海道でシラカバ花粉の飛散が本格化するのは4月下旬〜5月中旬の予想で、ちょうどゴールデンウィークと重なる見通しです。
飛散量:多くの地域で平年を上回る予想
2025年春の花粉飛散量は、西日本や北陸、関東北部で2024年を大きく上回り、北日本では下回る地域が多い予想です。
2024年の飛散量が非常に少なかった西日本では、その反動で2024年と比較して800%を超える地域もある見込みです。
一方、2024年に飛散量が多かった東北北部や北海道では減少し、2024年の半分以下になる地域もあるとみています。
全国平均では2024年比で171%となる予想です。
平年(2015〜2024年の平均飛散量)と比べると、西日本や東日本、東北太平洋側では平年を上回る地域が多く、特に西日本では200%を超える地域もあります。
東北日本海側や北海道は平年並みの地域が多い見込みです。
全国平均では平年比で170%となる予想です。
雄花調査を実施
本発表では11月5日~20日にウェザーニュースアプリで実施した「スギの雄花調査(北海道はシラカバ)※」の結果を活用しています。
雄花調査の結果、雄花の付き方について「ほとんど全ての枝に雄花がある」という回答の割合が九州から東北南部にかけて昨年よりも増加しました。また、東海から東北南部の一部では、当初予想を上回る雄花量が報告されました。
この雄花調査の結果を考慮し、2025年の飛散量予想を前回発表(10/1発表)から一部更新しています。
※ユーザーからスギの雄花の写真を送っていただくとともに、写真の雄花がどんな状態かを4つの選択肢(全体に雄花が出来ており、密度も高い/全体に雄花が出来ている/雄花はまばらに出来ている/雄花が観察されない)で答えていただきました。