阪神・佐藤輝明内野手(22)が14日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、2600万増の4200万円で一発でサイン。2年目の誓いとして、(1)三塁挑戦(2)30本塁打以上(3)全試合出場の3カ条を掲げ、寅(とら)年の22年に優勝することを約束した。(金額は推定)
契約更改交渉を終え、会見場へと姿を現した佐藤輝は晴れ晴れとした表情を浮かべ、時折、笑顔をのぞかせた。「納得の額ということで、一発でサインしました」。球界に新風を巻き起こしたスラッガーが、倍増以上の提示を勝ち取った。
横浜スタジアムでの場外弾、長嶋茂雄以来の新人1試合3発…。本塁打を積み重ねた結果、歴代新人左打者シーズン最多24本塁打の記録が刻まれた。そのインパクトから怪物と形容され、時の人となった。
打撃で強烈な印象を与えた佐藤輝だが、会見場では包み隠さず守備への希望を語った。「内野に挑戦したい気持ちはあります」。今季は主に右翼を守ったが、近大時代に本職だった三塁でも13試合に出場。三塁は大山の定位置でもあるが、勝ち取れるチャンスがあればつかみにいく覚悟だ。
「挑戦したい気持ちは常に持っています。誰にも負けないつもりで。そのためにも打つっていうのは必要。両方頑張ります」
24本塁打という数字は立派だが、後半戦は厳しい内角攻めに苦戦し、打率・158、4本塁打、12打点と低迷した。「細かいところは監督が決めることですが、(来季は)できるだけ上位打線を打ちたい。30本を目指してやっていきます」。1年目の目標にして達成できなかった30発到達を実現させる。
開幕スタメンからプロの道が始まったが、後半戦は不振や左膝痛などの影響もあり、126試合の出場に終わった。球団からも「1年間通して活躍できるように」と期待されただけに「もちろんフルで戦いたいなという思いはあります」と全試合出場を狙っていく。
三塁挑戦、30本以上、全試合出場…。全てでキャリアハイを達成した上で、寅年の来季こそは頂に立つ。「今季はあと一歩で悔しい思いをした。来年こそは優勝を目指して頑張ります」。たった1年で、虎に欠かせない中心選手となった佐藤輝。猛虎黄金世代の象徴として戦い、バットで優勝に導く。
◆阪神・主な新人野手の昇給 2001年新人王の赤星憲広は02年度が1200万円から2800万増(昇給率233%)の4000万円。16年新人王の高山俊は17年度が1500万円から2500万増(昇給率167%)の4000万円。20年度の近本光司は1500万円から3000万増(昇給率200%)の4500万円。14年度の藤浪晋太郎と並ぶ、球団2年目の最高年俸となっている。
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