「人によるとは思いますけど、僕にとっては自分の身体と向き合う時間であり、心と向き合う時間になっています。現代社会においては、日常的にストレスを感じる機会が多いですよね。どうしてもスマートフォンを見ている時間が長く、情報が自然と入ってきてしまう時代でもあるので。
「(徳島時代は)朝ヨガに通っていたのですが、当時も取り入れてみて、自分のなかでどんなことを感じるのか、身体に変化はあるのかと、いい時間になっていました。その後も、ポーズこそ取らないですけど、ヨガの呼吸法を試してみたり、日常に取り入れたりしていた部分もありました。今回、チームとしてヨガを始めて、改めてヨガの本質に触れている気がします」
「心を空っぽにするので、精神的にリセットできるというか。これはヨガの先生から毎回、言われることでもあるのですが、一つのポーズにしても、他人ができていて、自分ができていないとか、ポーズがきれいだとか、うまくできていないとかは気にすることなく、自分のできる範囲で、無理をせずに、自分の心と体と向き合うことが大切だと言われました。
「ポーズを取ることがヨガの本質ではなく、自分の身体や心と向き合うことが大事だと感じています。ヨガをしているときに、頭のなかに浮かんでくることを取り除いて、できるだけ無の状態になる。人間は、考えないようにしていても、頭のなかでは何かを考えているもので、それがポジティブな要素だったり、ネガティブな要素だったり。サッカーのことだったり、サッカーじゃないことだったり。
「前回はこんなことを考えてしまったけど、今回は違うことを考えているなとか。それに改めて気がついて、呼吸に意識を戻しています。その思い浮かんだことは潜在的に自分の頭のなかにあるものだと思うので、それを受け入れることも含めて、自分自身を整理、確認する時間になっています」(岩尾)
「そのときどきの自分のコンディションや身体の状態が分かるようになりました。例えば、今日はここが張っているなと思うこともあれば、今日は呼吸が落ち着かないなって思うときもある。そうかと思えば、リラックスできている日もあるので、以前の自分と今の自分を比較できてしまうところもおもしろいですよね」(小泉)
「ヨガをやらされていると思うのではなく、この機会に何かを得ようと思えば、得られると思います」
(取材・文/原田大輔)