いかにも不自然な光景だ。
大原サッカー場のピッチの脇に椅子が置いてある。浜野征哉GKコーチとランニングする鈴木彩艶も違和感を覚えたはずだ。
しかもよく見ると、椅子には浦和レッズジュニアに入団したころの彩艶と今の彩艶の写真が貼ってある。それを見た彩艶も頬を緩めざるをえない。
そう、この日は8月22日。彩艶の19歳の誕生日翌日だった。誕生日当日はアウェイでの徳島ヴォルティス戦だったため難しかったが、6月の西川周作の誕生日に続き、塩田仁史プロデューサーが、かわいい後輩のためにサプライズで祝福したのだった。
ランニング2周目。何かが増えている。「誕生日おめでとう」のたすきと、頭にかぶる飾りだった。
ランニング3周目。歌が聞こえた。パーティーグッズの泡クリームが盛られたお皿をスタッフが運ぶ。その人物は、彩艶の浦和レッズユース時代の先輩でもある南濱優大だった。
そしてプロデューサーが指示を送る。
「セルフでお願いします!」
指示通り、自らたすきをかけ、頭に飾りを乗せ、椅子に座る彩艶。
すでに気付かれている方も多いだろう。実はここまで、カメラもすべて定点である。
ポツンと一選手、絵面とは少々異なる真面目な意気込みを話す彩艶。シュールだ。
カウントダウンに促され、自らの手でクリームを顔面にぶつける彩艶。前代未聞だ。
そして、室町時代に創業して現在まで業界のトップを走り続ける和菓子屋『とらや』の羊羹を手にし、顔にクリームを付けながら笑顔で仲間と写真撮影に臨む彩艶。最高のGKチームだ。
……と、ここで彩艶の誕生日祝いの『表側』は終了。その裏側にあるドラマ(?)は近日公開予定なので、乞うご期待!
(浦和レッズオフィシャルメディア)
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