「浦和からオファーが届いたとき、素直に楽しそうだなと思いました。それでも最初は、2022年も鹿島アントラーズでプレーしようと思っていたんです。でも、クラブと話していくうちに楽しそうだなと思う以上に、心が動いたんです」
「(2人とも)年を重ねていくと、いつかチームを去らなければいけない時期がくるということを言っていました。自分も28歳という年齢になった今、移籍金を払ってでも自分を必要だと言ってくれるチームがあること自体が、すごく光栄なことだと言ってくれる人もいました」
「西野さんからは、僕自身のプレースタイルがチームに合致しているということを言ってもらいました。また、年齢的なことや経験値も含め、チームのリーダーとしてプレーしてほしいとも言ってくれました。自分自身でも、そうならなければいけないと強く思いますし、その言葉にクラブからの熱意を強く感じたんです」
「リカルド監督は僕のプレースタイルをわかったうえで、一緒にやろうと言ってくれました。僕自身、浦和からオファーが届く前から監督が掲げるサッカーはもちろん知っていて、魅力的なサッカーをしていると思っていた。その監督自身から一緒にやろうと言ってもらえたことは選手としてうれしかった」
「最終ラインであるCBやサイドバックからゲームを作ってもいいし、チャレンジしてもいいチーム。フィードも含め、後ろから持ち運ぶドリブルにしても、自分の特徴が活かせるのではないかと感じました」
「浦和は攻撃的なチームなので、守備面で無理をして守らなければならないシーンが1試合を通して何度かあると思います。そういうところもしっかりとマネジメントして、チームにとっても、自分にとってもプラスになるようなプレーを働きかけていきたい。
「3年計画の3年目にオファーをしてくれたことも心が躍った要因のひとつでした。それはすなわち、タイトルを獲るために自分の力が必要だということだと思うので、その話を聞いて、『よし、やってやろう』という思いになりました」
「周りからも、よく移籍を決断したねと言われました。自分でも慎三さん以来ということは分かっていましたし、Jリーグの歴史の中でも特別なことだと思っています。それだけ期待されていると同時に、『できるのか?』という目で見られることになる。その期待や思いに応えるプレーを見せていきたい」
「自分を認めてもらうためのハードルは相当、高いと思ってはいます。浦和のファン・サポーターの存在こそが日本サッカーの文化でもあると思っているので。その人たちに認めてもらい、背中にいてもらえることはすごく大きな力になると思っています」
「自分自身、過去に13番を付けたことがあるので、愛着のある番号でもあったのですが、浦和の13番といえば、このクラブをずっと背負っていた偉大な選手が付けていた番号だということも分かっていました。
《浦和へようこそ。熱いプレーで、新加入選手ということは関係なく、リーダーとしてチームを引っ張っていってください》
「13番の価値をさらに高められるようにがんばります」
「ACLは大会が違うし、サッカーも違う。相手や状況によって戦い方を変えていくように、ACLにもその大会なりの戦い方がある。自分もそこを思い出しながら、その都度、言えることを伝えていければと思っています」
「浦和が天皇杯で優勝してACLの出場権を獲得したから移籍を決めたかというと実は違うんです。天皇杯決勝の前から僕は浦和に移籍することを決めていた。それくらいクラブからの熱意に心が動かされましたし、何よりこのクラブで3年計画の3年目に当たる今季、リーグタイトルを獲れたらと思います」
「鹿島に移籍したときも、最初はやばいところに飛び込んじゃったなって思ったんです。自分の力不足で試合に出られないこともありましたが、諦めずに続けることで出場機会が巡ってきて、チャンスを活かすことができた。
(取材・文/原田大輔)