底抜けに明るい大卒ルーキーの好みは、自分と正反対のタイプ。
「僕がキャッキャしているので、クールな人が好き」
浦和レッズの宮本優太は、満面の笑みを浮かべながら、お気に入りのテレビアニメ『ONE PIECE(ワンピース)』について話してくれた。
「クザン(通称青キジ)が好きなんですよ。自分とは全然違う性格なので、憧れるところがありますね」
見なくなった時期もあるものの、最近友人たちに勧められて、『ONE PIECE』熱が再燃。いまは毎週のようにテレビ放送を楽しみにしており、欠かすことはないという。
幅広くアニメは見ているが、最も好きな作品は学園ものの『僕のヒーローアカデミア』だ。
「学生たちが一生懸命に取り組むところがいいんですよ」
漫画でもしっかり読み込んでおり、相当なマニア。好きなキャラクターはルミリオンだとか。
「分かる人は分かると思います」
実家の本棚には100冊近くの漫画がズラリと並ぶ。お気に入りの漫画は寮に持ち込み、空いた時間にのんびりと読みふけっている。
「頭のいいリフレッシュになります」
ショッピングに出かけるのも好きだが、インドアの一面も持っている。漫画の話になると、自然と饒舌になってくる。
「最近、はまっているのは『怪獣8号』。人間の世界に怪獣がいるんですよ。それを倒していくバトル系の漫画です」
しばしインタビュアーは置いてきぼりを食らうものの、必死にくらつく。魅力はどこにあるのだろうか?
「いろいろな秘密があり、それがどう明かされていくのかが気になります。考えながら読むと、面白いですよ」
次から次に作品名を挙げてもらうものの、一向にスポーツ系の漫画が出てこない。せっかくなので、サッカー漫画をひとつくらい紹介してもらいたいとお願いすると、宮本はヒザを打った。
「1巻から最新刊まですべて持っているサッカー漫画がありました。『BE BLUES!~青になれ~』は、ずっと読んでいます」
埼玉県民であれば、馴染み深い強豪の武南高校、西武台高校を連想させるチームが出てくるので、親近感がわく人も多いのではないか。
ちなみに宮本は流通経済大学付属柏高校でインターハイ優勝、冬の全国高校サッカー選手権準優勝を果たすなど、漫画の先を進んでいる。流通経済大学から浦和レッズに加入し、主人公のように日本代表を目指す道を邁進中。
チームメイトである現役日本代表の酒井宏樹は良きお手本であり、最大のライバルである。大きな壁を乗り越えたとき、“宮本ストーリー”は漫画を超えるはずだ。
(取材・文/杉園昌之)
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