「キャンプ中にめちゃくちゃ忙しくしている人」
他のスタッフからそう評されるのが、石栗 建フィジカルコーチだ。
日々のトレーニングのウォームアップやフィジカルメニューと選手のコンディショニングを担当し、チームがボールを使ったメニューに移れば別調整の選手のリハビリメニューを指導し、6日のトレーニングマッチ後にはピッチから他の選手がいなくなった後にトーマス・デンのトレーニングに付き添う。
「全体のコントロールもしないといけないし、個別にやらないといけないこともある。リハビリ中とかリハビリ明けとかいろんな選手がいるから」
選手たちはグラウンドでハードなトレーニングを積む一方、ホテルに帰ればリラックスできる。本を読んだり、映画を見たり、ホテルにある温泉に入ったりして休息する。
しかし石栗コーチだけではなく、スタッフの仕事はグラウンドだけ完結するわけではない。
「みんな忙しくしていると思う。メディカルスタッフだって夜遅くまでケアしたり、大変だと思う。僕もデータの分析をしたり、ホテルに帰ってからもいろいろ準備もあるので大変と言えば大変だけど、それが自分の仕事だから」
そんな石栗コーチはこの沖縄キャンプ中、ダイエットに励んでいる。
日々、体を動かしているという石栗コーチだが、ユースからトップチームに移ったこともあり、体を動かす時間がなくなってしまい、少し増量してしまったという。
「だからこのキャンプでは痩せることを目標にしている。4kgは落としたいと思っていて、今(2月6日時点)は3kgぐらい落ちたのでいい感じで来ている。残り数日で落とします」
大変な時期にダイエットに励むなんて、どれだけストイックなのか…と思うが、節制しながらも一つだけ自分に許していることがある。1日1個だけアイスクリームを食べることだ。
「それがこのキャンプの楽しみなんですよ。ご褒美ですね」
スタッフにアイスクリームを真剣に選び、アイスクリームを持って嬉しそうに部屋に帰る姿を目撃されていた石栗コーチはそう言って照れくさそうに笑った。
1月中旬から続いている沖縄でのキャンプも終盤になった。選手たちがシーズンを戦い抜く体作り、コンディショニングのために石栗コーチは身を粉にする。
「問われるのはシーズンが始まってみんなが活躍してくれるかどうか。何をやったかというよりも結果で評価されるものだと思うし、結果につながるようにがんばりたい」
結果が大事。それは石栗コーチの仕事だけではなく、ダイエットも同じなのかもしれない。
(取材/文・菊地正典)
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