フローラル系、柑橘系、スパイス系、ハーブ系……。
世の中にはさまざまな香りが溢れている。
その中には脳内のα波を増やし、心身をリラックスさせてくれる香りも存在する。
浦和レッズには今、そんな香りの世界に足を踏み入れた選手がいる。
今季、水戸ホーリーホックから加入したGKの牲川歩見だ。
「今、ちょっとフレグランスにハマっているんです」
牲川がフレグランスを集め始めたきっかけは、日焼け止めだった。
「日焼け止めを買いに行ったとき、彼女が匂い付きのものを勧めてくれて。それを塗ってトレーニングに臨んでみたら、気分が上がったんですね。よし、頑張ろうって。それはムスク系の甘い香りだったんですけど、それ以来、ボディオイルとか、フレグランスに興味がいくようになって」
練習前に付けて、集中力を高めたり、あるいは逆にリラックスしたり。プライベートで出かける際は、サッカーをするときとは異なる香りをまとって気分を変えたりと、匂いと効能を楽しんでいる。
なかでも気に入っているのが、この3種類だ。
「シトラス系やムスク、ジャスミンの香りが好きですね」
シトラス系（柑橘系）では代表的なのはグレープフルーツやレモン、オレンジ、ユズなど。フレッシュで爽やかな香りが明るく前向きな気持ちにしてくれる。リフレッシュ効果も抜群だ。
ムスクは深みのある甘い香りで、緊張がほぐれる感覚があるため、人気も高い。
ジャスミンも甘い香り。心身をリラックスさせ、効果やホルモンバランスを整えるほか、集中力を高める効果が期待できる。
ジョアン ミレッGKコーチの指導によって、牲川のマインドは変化した。「これまではシュートを止める、いいセーブをするっていうところに基準を持っていたんですけど、今は試合に勝つために、GKとしてどんな役割を担えるか、という考え方に変わってきました」と自身の変化をポジティブに受け止めている。
新たな自分に出会うため、浦和レッズにやって来た2022シーズン。牲川歩見は今日も香りで気持ちを整えて、ゴールマウスの前に立つ。
（取材・文／飯尾篤史）
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