「聞きたいことがたくさんあったし、チームの試合を分析的に見て、自分が出た試合のデータとか、今の状況を再確認して、いろいろ準備したうえで向かいました」
「試合に出たら絶対にやれる、っていう自信はあったし、起用してもらった試合では、自分の良さを出せていたと思います。インパクトも残したはずだし……」
「絶対にやれる、っていう気持ちがすごく強かっただけに、メンバーに入れなくなって、気持ちが揺らいでしまって。もちろん、何くそ、っていう気持ちもありましたけど、浮き沈みが激しかった。自分を見失ってしまったというか、迷走してしまって」
「心のどこかで、大槻さんに見てもらえていないんじゃないかというのがあったんですけど、やっぱり期待してくれているっていうことが伝わってきた。僕はプレーのことに執着していたんですけど、大槻さんは『求めているものはそうじゃない』と。それに『最初の試合で負けている状況で、切り札として最初の交代枠で使ったじゃないか』とも」
「確かに、プロに入って1年半が経って、環境に慣れたせいか、ガムシャラにやっていた自分を忘れてしまっていた。試合のメンバーに入る、入らないという目先の結果に左右されて、ブレていたし、勢いもなくなっていたと思う。本当に自信がある人って、何があっても揺らがない。だから、あの頃の自分の自信は本物じゃなかった。大槻さんには全部見抜かれていましたね」
「そこからはもう、自分でも分かるくらいプレーが変わって。毎日がめっちゃ楽しいです。これが充実してる、っていうことなんだなって」
「試合に出られないからといって、ふてっていたわけじゃない。やろう、やろうとしていたし、ギラギラとした野心を持っていたつもり。だから、吹っ切れた今、いいパフォーマンスを出せているんじゃないか、と思うんです。やっと今、『いつでもやれる準備ができています』とはっきり言えるところまできたかな」
「だから、初めて壁にぶち当たっているわけじゃないんです。これ、なんかちょっと前にもあったなって。過去の自分を参考にしながら、乗り越えていこうと」
「語学って、すぐに習得できるものじゃない。長いスパンで取り組むもの。サッカーも同じで、すぐに上手くなれるわけじゃない。だから、英語をコツコツ勉強することで、サッカーも目先に左右されず、長いスパンで捉えられるようになるんじゃないかなって」
「若いとか、関係ないですよね。同期の(橋岡)大樹は試合に出ているから。タイプもポジションも違うけど、一緒に試合に出て、浦和を活気づけたいです。イメージは救世主。残り3ヵ月、何がなんでも試合に絡んでいく。今以上に集中してやる。絶対に逃げない。もし試合に出られたら、絶対に結果を出す」
「このままだとファン・サポーターにも忘れられちゃうと思うんです。だから、闘う気持ちを前面に出して、インパクトを残したいですね」
「やっと、(出番が)来ましたね。今日は時間が短かったけど、そのなかでやれることはやったかな。ここからですよ、ここから」
(取材/文・飯尾篤史)