『お返し』が始まったのは、6月16日のことだった――。
同い年の阿部勇樹と争うほど、毎日クラブハウスに早く来る塩田仁史。オフ明けの朝、広報スタッフの顔を見ると、「おはようございます」と言って早々、二言目にこう言った。
「18日は空いてるか?」
聞くと、18日に誕生日を迎える西川周作に『サプライズ返し』をするという。
5月28日に40歳の誕生日を迎えた塩田はGKチームのサプライズでの祝福に感動。次に迎える西川周作の誕生日をサプライズで祝う意欲に燃えていた。
そして、その瞬間をしっかりと映像に押さえるべく、広報スタッフに声をかけたのだった。
サプライズに向けて朝から意気込みを話す塩田。マスクをしているため口元は見えないが、目元はもう、その瞬間が待ち遠しいと言わんばかりに緩んでいる。
全体トレーニング後、もちろん『グル』である浜野征哉GKコーチの指導を受けながら、普段はやっていないストレッチをする西川。この後に起こることを知る由もない。
塩田は上半身を抑えながら、バッチリと西川の視界をふさいでいる。
そしてGKチーム最年少の鈴木彩艶が……!
3人の手拍子に乗せた『Happy Birthday to You』を聞きながら、いや、聞こえているかどうかも分からない様子で「やばい」を連発するこの日の主役。顔を真っ白にしながら、とてもうれしそう。
4人が気付いていたかどうかは定かではないが、たまたま後ろにいたリカルド ロドリゲス監督と土田尚史スポーツダイレクターも拍手でお祝いしている。
そして、グータッチでサプライズ成功を祝う3人もうれしそう。浜野コーチに「ナイスアイデア」と言われた塩田も渾身のガッツポーズを見せた。
この最高の雰囲気で普段から切磋琢磨しているのがレッズのGKチームであり、その最高の雰囲気作りに大きく寄与しているのが最年長の塩田なのだ。
次は8月に迎える彩艶の誕生日がどうなるかと期待もしてしまうが、塩田さん、ひとまずお疲れ様でした!
(浦和レッズオフィシャルメディア)