海外旅行へ行きたいのに、自由に旅に出られない。もしも、いつでも行ける「海外」があったなら……。そんな思いを抱いてる人も、きっと多いはず。
実は神奈川県三浦市に、いつでも行ける「海外」があるんです。その名はなんと、海外町(かいとちょう)!
これから向かう「海外」への出発点は、成田でも羽田でもなく、京急久里浜線の三崎口駅。まずは京急バス三61(浜諸磯行き)に乗って、海外バス停を目指しましょう。
海外町があるのは三浦半島の南端。三浦市の三崎と油壺のちょうど中間に位置する、小さな港町です。
そんな海外町を象徴するのが、三崎漁港のひとつである海外港。海外バス停の目の前に広がり、港の看板にも「海外」の文字が見られます。
穏やかに水面が揺れる海外港。まるでヨーロッパの港のよう……とはいきませんが、小さな漁船が並ぶ光景は、旅情を感じさせてくれるはず。晴れた日には、相模湾の向こうに箱根や伊豆の山々、そして富士山まで望み、雄大な風景を楽しめます。
海外へ旅行に来たからには、やっぱり観光をしたいはず。海外町にはどんな名所があるのでしょうか?
実は海外町は、貴重な地層が見られることで知られる町。とくに神奈川県指定天然記念物である「海外町のスランプ構造」は、海底地滑りを表す地形として貴重。地層が見事な波状に曲がった褶曲面が見られます。
もうひとつ貴重なのが、同じく神奈川県指定天然記念物である「二町谷の漣痕」。海底に堆積した泥や砂が水の流れによって削られることで形成された地形で、左右非対称の波模様が岩の表面に描き出されています。
※最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
(文:手塚 大貴)