73年の歴史を持つ小田急の「特急ロマンスカー」
小田急電鉄の特急ロマンスカー「LSE」7000形電車(2016年10月、安藤昌季撮影)。
初めての乗務は「LSE」でした
――梓さんは、「LSE」以降のロマンスカーに乗務されたと伺っております。運転士から見て、どのような印象や運転感覚がある車両なのか、順に教えていただけますか?
「LSE」は、ロマンスカーの研修で初めて乗務した車両でした。同時に初めての2階運転台の特急車両であり、目線や速度感覚が一般車両と異なることに衝撃を受けました。
――「HiSE」はどんな車両だったと聞いていらっしゃいますか?
「HiSE」は運転台が「LSE」より広く、乗務しやすかったと聞いております。
――「RSE」は先輩運転士からどんな車両だと聞いていますか? 2階建て車両も連結されており、運転感覚に違いはあったのでしょうか?
「RSE」はJR東海の御殿場線に乗り入れを行う車両なので、2階運転台ではなく、広い運転席で機器も多く搭載されていました。乗務員室には専用の空調が備わっていて、快適に運転できたと聞いております。また、運転感覚ですが、2階建て車両が連結されていることで、重量感を感じたとのことです。
「EXE」、αとで運転に違いは?
――「EXE」にも乗務されたそうですが、どのような車両でしょうか。またリニューアル車「EXEα」では走行機器も更新されていますが、その影響は感じられましたか?
「EXE」は連結運転を行うロマンスカーであり、特に中間運転台で運転する時は気を使います。曲面ガラスで部分的に視界がぼやけるので、体勢移動をしながら運転する必要があるのです。「EXEα」は自動車でいうアクセルに当たる「ノッチ」や、ブレーキ操作の反応など、格段に性能が上がりました。
特急ロマンスカー「EXEα」30000形電車の車内(2017年9月、安藤昌季撮影)。
――青いロマンスカー「MSE」はどのような車両でしょうか。
――乗務された中で一番古い「LSE」を基準として、それ以降の新型ロマンスカーでは、どのような点で「乗りもの」として改善されていると感じますか?
――展望車のないロマンスカーでも、乗務員室越しの前面展望が可能な車両が多いですが、乗客から見られることは、運転感覚に影響しますか?
運転が難しい区間はどこか
――ロマンスカーと一般車両の差があるかもしれませんので、一概には言えないかもしれませんが、「運転がしやすい区間」と「運転が難しい区間」はありますか?
「お客様にとって乗り心地のよい、揺れにくい運転を実現する」という観点でお答えすると、運転がしやすい区間は「複々線区間など、踏切がなく直線が多い区間」です。「運転が難しい区間」は、曲線が多い「渋沢~新松田」と箱根登山線の「小田原~箱根湯本」ですね。
――乗車率が異なると、運転感覚は変わってくるのですか?
インタビューにお応えいただいた、元運転士の梓 雅樹さん(写真提供:小田急電鉄)。
――最後に、昼間と夜間で運転感覚の違いはあるのでしょうか?
――お忙しい中、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。
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