審査の評価ポイントは「印象」と「知識」
ANA(全日空)が2017年12月5日(火)、同社の空港グランドスタッフを対象とした「空港カスタマーサービス スキルコンテスト」を開催しました。スタッフ間の接遇スキルを競い合いながら、レベルの向上につなげることを目的としたイベントです。
10回目となる今回は「WE ARE ONE」をテーマに開催。コンテストは空港ロビーにおけるスキルを競うロビー部門、登場ゲートでの誘導や改札業務などのスキルを競うゲート部門、保安検査のスキルを競う保安部門の3つからなり、会場ではロビー部門の実技審査と表彰、およびゲート部門と保安部門における受賞者の表彰が行われます。
ロビー部門の実技審査に臨む神戸空港 国内線の中村加奈子さん(画像:2017年12月5日、乗りものニュース編集部撮影)。
ロビー部門では、ANAのグランド業務にたずさわる国内外94空港、約8000人のなかから選ばれ、予選を勝ち抜いてきた計15人(国内スタッフ10人、海外スタッフ5人)が実技審査に臨みました。
審査の評価ポイントは「印象」と「知識」のふたつで、「印象」は社内外の4人の審査員が「お出迎え」「笑顔」「コミュニケーション」「総合印象」の4項目から採点。「知識」は、ANAのスタッフ4人が専門知識などのチェックを行います。
実技審査のステージには空港ロビーが再現され、コンテスト出場者に対し、利用客に扮したスタッフがさまざまな質問を投げかけます。質問内容は事前に知らされていないため、出場者はこれまでの経験でつちかわれた対応力とアドリブ力が問われます。
平子社長「一流である自信を深めました」
コンテスト出場者は、車いす利用者や目の不自由な人、空港に不慣れな老婆への対応や、おすすめのお土産案内、初日の出のフライトに関する説明、相手の写真撮影に応じるなどさまざまなお題が出題されるなか、臨機応変に対応していました。
左から田中侑衣さん、中村加奈子さん、サンティアゴ・ロジエルさん、清宮ゆきのさん(画像:2017年12月5日、乗りものニュース編集部撮影)。
ロビー部門の入賞者は、審査員特別賞に成田空港 国際線の清宮ゆきのさん、準グランプリに羽田空港 国内線の田中侑衣(ゆい)さんとマニラ空港 国際線のサンティアゴ・ロジエルさん、そして栄えあるグランプリは、ペット連れ客の専用アプリ「ANAペットパスポートアプリ」に関する説明などを行った、神戸空港 国内線の中村加奈子さんが受賞しました。
中村さんは、「ほかの方が素晴らしい接遇をされていたので、本当に信じられないという気持ちでいっぱいです。受賞の時にはこれまで応援してくれた神戸空港の皆さんのことが頭に浮かびました」と受賞の感想を話しました。
なおゲート部門では、最優秀空港として徳島空港、神戸空港、高知空港、鹿児島空港、マニラ空港が、保安部門では優勝の全日警(関西空港)、準優勝の熊本空港警備(熊本空港)、3位の鹿児島綜合警備保障(鹿児島空港)が壇上で表彰されました。
コンテスト終了後に講評を述べる、ANAの平子裕志代表取締役社長(画像:2017年12月5日、乗りものニュース編集部撮影)。
ANAの平子裕志代表取締役社長は、「今日の皆さんのパフォーマンスを見て、ANAという会社が一流である自信を深めました。ただ自賛するのではなく、反省すべきところはあるのかもしれません。それは皆さんが自問自答しながら、明日から反映していただきたいです」とコンテストの講評を述べました。