高級レストランや料亭が多く、落ち着いた“大人の街”というイメージの強い港区・赤坂。そんな赤坂に、伝統と革新が融合した和食レストラン「SHARI(シャリ)赤坂」がオープンした。4月28日に開業したホテル「COCOSHUKU 赤坂Premium(ココシュク 赤坂プレミアム)」のダイニングとして、本格的な懐石料理と鉄板焼きを提供。事前に行われた内覧会よりこだわりのメニューを紹介する。
東京メトロ「赤坂駅」から徒歩2分。赤坂3丁目に開業したプライベートホテル「COCOSHUKU 赤坂Premium」の地下1階の「SHARI 赤坂」に入ると、和服の女性がやわらかい笑顔で迎えてくれる。店内はグレーを基調に、木や石のカウンターを設えたあたたかみのある空間でまさに“大人の隠れ家”を感じさせる佇まい。
記者が案内されたのは懐石料理を振る舞うカウンター席。そのほかに鉄板焼き専用カウンターと個室が用意されている。“和の鉄人”として名高い中村孝明氏のレストランでも総料理長を務めた鈴木一生氏が総料理長を務める同店。この日は「SHARI 赤坂」のイメージを詰め込んだ特別なコースを試食した。
先付は「北海道産ホワイトアスパラと海鮮・フルーツトマト~色彩野菜そえて~」。旬のホワイトアスパラガスにイクラ、ウニ、ホタテ、アワビといった海鮮、タラの芽、こごみといった山菜、トマト、さやえんどうといった野菜にポン酢ジュレをトッピングしている。山菜の持つほのかな苦みや野菜の持つ甘みに海鮮の旨み、ポン酢ジュレの酸味が口中で一体となり、これからの出てくるメニューへの期待感が高まる。
煮物椀は「牡丹鱧~吉野本葛を纏って~」。初夏の味わいである鱧と梅肉、じゅんさいを吉野葛でとろみをつけた出汁でさっと煮ている。丁寧に骨切りされたふわふわの鱧の身と梅の酸味、香り高い出汁が見事に調和して“日本人でよかった”とほっとする一杯。
お造りは「本日の厳選鮮魚盛り合わせ~山山葵とレフォールの醤油で~」。ぷりぷりの車海老、とろけるアオリイカ、旨みの強い鯛、身の締まった奄美大島産の本鮪に山山葵と粉鰹の入ったオリジナル醤油の味わいが重なる。
焼き物は「ぐじ唐揚げ~大根いりこ煮と春菊餡で~」。高級魚のぐじのうろこを少し外し、薄い衣をつけて揚げて大根とほろ苦い春菊餡を添えている。サクサクした軽い食感の唐揚げと出汁の染み込んだ大根に、春菊の香りの餡が後を引く。
そして、もう一品が「茨城県産日立牛カツ~トリュフ風味の泡醤油で~」。身の中心まで熱が入りつつレアな状態の黒毛和牛の牛カツは、衣はサクサクで肉の旨みがギュッと凝縮し、泡状のトリュフ醤油が舌の上ですっと溶けていく。付け合わせのキャビアとウニ、長芋のみじん切りと一緒に食べるとその旨みの相乗効果の贅沢なこと! “あぁ、大人になってよかった”としみじみ思う。
締めのご飯は、岐阜県産の高級ブランド米「龍の瞳」を1人前から土鍋で炊いて茶碗に盛ってくれる。通常のコシヒカリの1.5倍の大きさで粒立ちのよい「龍の瞳」に、この日は鮪の温玉練り胡麻あえ、茎わかめ、れんこんの梅鰹あえ、牛すじのしぐれ煮の4種類をご飯のお供として提供。さりげなく「おかわりいかがですか?」と聞いてくれる気遣いもうれしい。
水菓子は「ほうじ茶ティラミス」と「コーヒーゼリー」。枯山水をイメージしたという「ほうじ茶ティラミス」は、生クリームとマスカルポーネチーズ、ラム酒を染み込ませたスポンジが層になった大人の味わい。「コーヒーゼリー」はブラックとカフェオレ、2種類のゼリーにエスプレッソのグラニテとミルクをトッピング。どちらも「SHARI 赤坂」流の演出が加えられているところが心憎い。
和食は旬の魚を軸とした懐石コース(税込9900円/10品~)、鉄板焼きは牛ヒレのステーキを軸にしたコース(税込9900円/9品~)をご用意。カウンター席からは忙しいながらも、キビキビした職人さんの様子が何とも気持ちよく、料理だけでなくスタッフや空間にも“おもてなし”精神が息づく「SHARI 赤坂」。
大人の街、赤坂に大切な人を連れて訪れたいお店がまたひとつ誕生した。
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