台風19号は今年最強クラス、そして甚大な被害をもたらした過去の巨大台風にも匹敵するとされています。
「最強台風」の暴風や高潮その威力を検証します。
列島に迫りつつある「今年最強」の台風19号。
東海地方には12日最接近する見通しですが…。
気象庁梶原靖司予報課長:
「広い範囲で記録的な大雨となる見込みです。河川の氾濫が相次いだ昭和33年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる恐れもあります」
1958年伊豆半島をかすめ、関東を通過して1200人以上の犠牲者を出した狩野川台風。
台風19号はこの時に匹敵する恐れがあるというのです。
その1年後この地方を襲ったのが、伊勢湾台風。929hPaという強い勢力で紀伊半島に上陸すると、東海地方に激しい雨と風をもたらしました。
この時、沿岸部を「高潮」が襲いました。名古屋では過去最高の潮位3メートル89センチを観測しました。
また去年の台風21号でも、大阪では3m29センチという過去最高の潮位を記録。
その影響で関西国際空港は滑走路が浸水し、この時関空は連絡橋にタンカー船が衝突し8000人が孤立する陸の孤島と化しました。
気象台の担当者:
「大潮期間となっておりますので、沿岸部では高潮と重なった波浪による浸水にも警戒が必要となります」
「今年最強」の台風19号。高潮とともに警戒しないといけないのが強風。
もし伊勢湾台風を超える風速60mの風が吹いたら…。埼玉県にある日本に2台しかない実験装置を使って検証しました。
まずは工事現場などにあるパイロンを置いてみると、すぐに吹き飛んで、金網に激しく衝突…。
(リポート)
「突風が吹くと、あっという間にパイロンが飛ばされました。跡を見るといかにものすごい強さでパイロンが飛ばされたか分かります」
続いて、塀などに使われているコンクリートブロックも…。
(リポート)
「物凄い勢いで飛んでいきました。くるくるっと宙を舞うように、いとも簡単に飛びました。(落下地点には)断熱材が敷いてあるのですが、完全にえぐれています。凄い衝撃です」
軽々と吹き飛ばされたコンクリートブロック…。猛烈な風はあらゆるものを凶器に変えてしまいます。