2023年3月3日に、ハラルのフードコートとスーパーマーケットが入居する日本初の施設「ナショナルマート&ハラール屋台村八潮スタン」が埼玉県の八潮市に誕生した。
八潮市はパキスタン出身者が多く住んでいる土地で、「八潮」と「パキスタン」を合わせた「ヤシオスタン」と呼ばれるコミュニティーが存在。
同施設は、マーケット側と約54席を有するフードコート側の2カ所に入り口があり、「ナショナルマート」と「ハラール屋台村」が中でつながって、一つの空間になっている。
ナショナルマートには、アジア各国の食品や調味料、菓子類が並ぶ。
天然材料で作られる本格的なインド料理メーカー「MTR」のレトルト商品や、パキスタンのハラールチップス「ナムキーン(Namkin)」など、なかなかお目にかかれない品ばかりだ。
パキスタンの女性が身に着ける民族衣装「サルワール・カミーズ」や頭髪を覆う「ヒジャブ」、スキンケア用品なども販売している。
「屋台村」と呼ばれるフードコートでは、パキスタン料理の「シディーク」やマレーシア料理の「Dupur Malaysia」のほか、「麺亭 成田屋」「チャレンジキッチン」「ミスタージャニキッチン(Mr Jani Kitchen)」「レッドパンダ ウォク&グリル(RED PANDA Wok&Grill)」「スイーツ&ベーカリー」の全7店舗が揃う。
日本食やピザ、ハンバーガー、中華料理などの幅広いジャンルのメニューが、全てハラル仕様で楽しめる。
まず入り口の券売機でメニューを選び、出来上がったら各店舗の窓口で受け取る。
テーブルは全店共用なので好きなところで食べられる。
どの店もオープンキッチンなので、料理ができる様を見ながら味わうのもいいだろう。
せっかくだから、食事のほかにデザートも楽しんでみよう。
「スイーツ&ベーカリー」のショーケースに並んだ色とりどりパキスタンスイーツは見逃せない。
おすすめは、優しい味わいの「ラドゥ」。
生地はしっとりモチモチで、トッピングされたナッツの食感がたまらない。
「世界一甘いスイーツ」といわれている「グラブジャムン(Gulab jamun)」にも挑戦してみてほしい。
3日に行われたオープニングセレモニーでは、同施設を運営する和新トレーディング取締役の味庵・ラムザン・シディークが登壇した。
「ここは、ハラル食材や料理が何でも揃う最大規模の複合施設です。皆さんに支えられて、オープンできました。同施設のスーパーマーケットは、まだ完成形ではありません。これから1〜2カ月かけて完璧になるよう整備していきます」と感謝と今後の意気込みを語った。
「ヤシオスタン」の新拠点が、これからどのように受け入れられるのか気になるところ。
都心からは少し離れているが、日本初の一大ハラルマーケットをぜひ自分の目でチェックしてほしい。
テキスト:Runa Akahoshi