藍染め技術は日本の伝統
藍を発酵させることでできる泡を使う染色方法は、130年以上前から日本で行われている。
デニムや衣服、ハンカチなど、自然染料を使った染め物は、日常生活の中でもたくさん見つけられるだろう。
数ある染め物の工房の中で、染色を体験できる場所もある。この特集では、伝統的な藍染めに触れることができるおすすめの場所を紹介する。
1.45R 渋谷店

渋谷駅から徒歩4分のアパレルショップ。 店内には大きな窓から温かな日の光が降り注がれ、つい長居したくなってしまう。
藍染めとインディゴ染めにこだわりを持っており、独自に糸、生地、染色、加工を開発し優しくナチュラルなアイテムを作り出している。
使い込むことによって色が落ち、味が出てくるのも魅力だ。
2.藍染博物館

隅田川沿いの下町にある、藍染めがテーマの博物館。
ジャパンブルーと言われる藍色の歴史にまつわる資料が並ぶ展示室や工房、ショップなどが併設されている。
工房では、3世代120年以上にわたって藍染め製品を作り続けており、藍染浴衣を作る数少ない工房の1つでもある。
工房内の染料が入った大きな桶(おけ)は、創業以来ずっと同じものを使用している。
染料は何年も発酵を重ね、唯一無二の藍となっている。
工房の隣の展示室では、複雑な柄に染め上げられた浴衣や帯、小物などを鑑賞できる。事前に電話予約をすれば、手ぬぐいの藍染め体験も可能だ。
3.オクラ

代官山にあるオクラには、日本の伝統的な仕立て技術やデザイン、藍染めなどを取り入れた、美しい衣服や布地が揃う。
古い蔵のような外観が、伝統的な雰囲気を醸し出している。
Tシャツやジャケット、セーターなどから、ネクタイや靴下、ハンカチなどの小物まで、幅広い藍染め商品が目白押しだ。
2階はレディースフロアとなり、着物をモチーフとしたシャツや、足袋、靴下、財布、かんざしなどのこだわりのアイテムが並ぶ。
4.和なり屋

浅草にある、藍染めや機織りなどの日本文化をコンセプトとしたショップ。
美しく染め上げられた藍染めの衣服や帽子、バッグ、スカーフなどを扱う。
藍染めには、48段階もの色調があると言う。同店では、最も明るい青色から、深く濃い藍色まで、幅広い商品が揃っている。
本藍を使用した藍染体験も可能。藍釜は4釜あり、大人数での体験もできる。
藍染めの全工程は約30分程度なので、浅草観光のついでに、ちょっと楽しむのにぴったりだ。
=5.藍染工房 壺草苑==

東京の都心から電車で1時間半、青梅市の西にある静かな工房、壺草苑(こそうえん)で藍染めを学んでみてはどうだろう。
青い山と美味しい空気に囲まれた地にあり、1900年代初めから1世紀以上にわたり、藍染めが行われてきた。
現在の工房は、村田家の兄弟2人が1989年、江戸時代からの藍染めの工芸品作りを伝承しようと開いたものだ。
天然藍灰汁醗酵建(てんねんあいあくはっこうだて)という染色方法は、天然の素材のみを使用するため、人体や環境などに優しく、色にも深みがある。工房では衣類から室内装飾品まで、様々なものを染めている。
藍染め体験も可能。
併設のショップでは、村田兄弟がデザインと染色をした衣類やアクセサリーを購入できる。