女子高生たちのリアルな恋愛模様を真摯に描くABEMAドラマ「17.3 about a sex」(毎週木曜夜11:00、ABEMA SPECIAL)で、主人公の一人を傷つける男子高生・堀田劉生を演じる新原泰佑。同級生の咲良(永瀬莉子)と付き合っていたが、相手の気持ちを無視してセックスしようとして嫌われた上に、咲良が処女かどうか賭けをしていたことが第1話で発覚した。
そんな“ヒドい男”役に挑んだ新原だが、実はこれが連続ドラマ初出演。所属事務所アミューズの若手俳優によるプロジェクト「チーム・ハンサム!」に新たに加入し、新プロジェクト「2020 OVER THE RAINBOW PROJECT」に参加。作詞や12月発売予定のニューアルバム制作に取り組み、2021年1月から上演予定のミュージカル「ポーの一族」にも出演が決定した彼の素顔と、初出演ドラマについての話を聞いた。
こんなクズが存在していていいのか!?と思った
――「17.3−」が初めての連続ドラマでしたが、緊張やプレッシャーはありましたか?
ドラマも初めてですが、お仕事でお芝居をすること自体が初めてだったので、毎回毎回緊張していたと思います。胃がキリキリしてましたけど、お芝居を始めて、役に入ったら、楽しまなければいけないと思うので、緊張しながらも楽しめたのではないかな?と思います。…とは言いつつ、緊張しました(笑)。
――「17.3」は高校生たちがぶつかる性の問題やセクシャリティを正面から描いた作品ですが、内容や役どころを聞いた時は驚きませんでしたか?
ご覧になる視聴者の皆さんと同じように僕もびっくりしました。台本を読んで、劉生に対して何だコイツ!と思いましたし、こんなクズが存在していていいのかとも思いました(笑)。でも、演じることが決定したので、全員から嫌われる覚悟でやろう。最高の嫌われ役になろうと思って、クランクインしました。
――劉生の内面は、どのように理解していったんですか?
お芝居は自分と共通しているところがあるとしやすいと思うんですけど、劉生とは共通点が全く見つからなくて(笑)。なので、台本を読み込んで、人物像を想像しました。あと、今の高校生ってどんな感じなのかな?と思って観察してみたり。例えば、話す時の距離感とか、どんな雰囲気なのか?とか。それから僕の撮影は、劉生が彼女の咲良(永瀬莉子)を家に招くところから始まったんですね。
――学校でキスしたシーンですか?
いえ。まさに家に招き入れるシーンです。つまり撮影初日から押し倒すシーンだったんです(笑)。
――おお!それはすごい。
そうなんです。なので、少し早めに入って、役作りのために、劉生の部屋のセットを観察しました。こういう曲を聴くんだ、こういう漫画を読むんだとセットからヒントを得て、人間に厚みを出したいなと思って。それから自分の部屋なのにぎこちないとヘンなので、馴染むようにしばらく部屋にいました。
――撮影前に咲良役の永瀬さんとお話ししたりは?
このご時世なのでたくさんお話しすることはできなかったのですが、「本気で行くので、本気で嫌がってください。本気でぶっ倒してください」とお願いしました。でも、何しろ“初めまして”だったので、「大丈夫ですか?」と心配なさっていました(笑)。
――今作は例えば学校で性教育の一環として見てもいいのではないかと思ったのですが、新原さんはどうですか?
高校生にはそれこそ見てほしいです。堀田劉生という男は、どんな男子でも思いついてしまうことをそのまま具現化したようなキャラクターだと思うので、男女問わず見てほしいです。また、話を追うごとに伝えるメッセージがちょっとずつ異なるので、学校関係者の方やお父さん、お母さんはもちろん、いろんな世代の方に見てもらいたいです。新たな考えを導き出ししたり、考えを改めたりできる作品だと思うので。
今作はちょっとエッチな青春ドラマではなく、真面目に考えることができる作品だと思います。出演しているのは全員10代なのですが、現役高校生や10代である僕らが出ることに意味があると思うんです。今、日本で問題視されているのに大きく取り上げられることのない事象を描いているので、そういった視点でも見ていただきたいなと思います。
ダンスは僕の人生の中で外せないもの
――お芝居は今作で初挑戦でしたが、ダンスを4歳からされていたんですよね?
そうです。気付いたらダンス以外できない人間になっていました(笑)。ダンスを軸に生活するのが当たり前で、小学校が終わったらダンスに行くというふうに、生活サイクルの中に組み込まれていました。
――ダンスを踊るだけでなく、振り付けもされていたんですよね?
はい。振り付けや演出もしていました。
――2018年にはダンス以外にも世界を広げたいという思いから、”日本一のイケメン高校生”を決める「男子高生ミスターコン2018」を受けられたそうですが、そういった思いはいくつぐらいから抱いていたんですか?
最初から俳優に憧れていたというわけではないのですが、とあるミュージカルを観た時に歌とダンスとお芝居が融合していて、これってすごいんじゃないか、これが出来たら俺、最強になれるんじゃないかと思って。そこからお芝居に挑戦してみたいと思うようになったんです。
――ミュージカルでしたら、ダンスもできますしね。
そうなんです。ダンスは僕の人生の中で外したくないものなので、ダンスをしながら何かできるとしたらお芝居かなって。
――その結果、「ミスターコン」ではグランプリを獲得!受賞式の姿がステキでした。
受賞の際には泣きすぎて、お母さんに怒られました。受賞した時の写真が泣き過ぎで、「ブサイクすぎてあり得ない」って(笑)。僕、優勝したのに、家に帰ってまず言われたことがそれですよ!「待って!おめでとうは?」って言いました(笑)。
――お母さんはダンスを始めるきっかけを作ってくれたり、新原さんの人生のキーマンですよね?
そうですね。お母さんは僕の一番のお客さんですし、僕の全てを知ってくれている人。知らないことが本当になくて、雑誌などの写真1枚でもいろんなことに気付くので隠し事ができないんです!
――現在もしっかりご覧になってくださっているんですね。
はい。それこそ「17.3」を見た後に、「あり得ないよ!あんなことするなんて最低!」って本気でキレられました(笑)。役なんだけどな〜と思ったんですけど、お母さんがあそこまで感情込めて見てくれたということは、お芝居がうまく出来たということかなと思いました(笑)。
10月7日で20歳、大人の色気がついたらいいな
――初ドラマを経験され、9月には「チーム・ハンサム!」への加入が決定。12月には「HANDSOME アルバム」(仮)が予定されていますが、かつてのインタビューで歌は苦手とおっしゃっていたような?
そうなんです(笑)。歌うこと自体は好きなのですが、人前で歌うのは緊張しますし、レコーディングも苦手ですし…。でも、レッスンを少しずつやらせていただいて、人前もレコーディングも以前より好きになれてきています。とはいえ、本当にまだまだで、自分では聞くに耐えないと思っているので、これからもっと頑張らないといけないです。
――先輩方とご一緒される気持ちは?
まだ現実味がないです。ことし2月に東京・両国国技館で行われた15周年記念ライブを客席から見ていたぐらいなので、そこに自分が加わると言うのは楽しみではありますが、まだ実感が湧かないです。
――皆さんとはお会いになりました?
このご時世なのでリモートでご挨拶させていただきましたが、まだ実際にお会いしていない方も。でも、新人ながらダンスレッスンを先輩方に付けさせていただいているんです。ドキドキしましたが、皆さん良い方ばかりで、ハンサムに入って良かったなと思っています。あと皆さん、ノリが野球部みたいなんです(笑)。筋トレをして疲れてくると、誰かが「わっしょい、行くぞ!」みたいに声を上げて次に進むので、学生時代に経験できなかった青春をしているな〜と思いながら、やらせていただいてます。
――ゆくゆくはハンサムでも振り付けをしてみたいですか?
してみたいです!皆さん、それぞれに個性の異なる俳優さんなので、その個性を生かしたダンスを振り付けできたらなーと思います。
――10月7日に20歳。今後、どんな20代を目指していきたいですか?
10代という枠を飛び出して、20歳になるわけですので、初心は忘れずに謙虚に行きたいですが、大人の色気もついたらいいなーという高望みをしています(笑)。
――(笑)。2021年1月にはミュージカル「ポーの一族」に出演されるなど、経験も広がるので、徐々に付いて行くのでは?
どうでしょうか?「ポーの一族」は宝塚歌劇団で上演されていた作品を、男性キャストも加わって制作するということで、また違った作品に生まれるんだと思いますが、女性ならではの色気を男性が演じたら、どうなってしまうんだろうと思っていたのです。でも主人公のエドガーは変わらず明日海りおさん、そして相手役のアランを千葉雄大さんが演じられるということで、これは全く新しいものになりそうだなと楽しみにしています。稽古もまだなので、皆さんにお会いするのもこれから。楽しみです!
――楽しみと言えるのがすごいです。
こういうお仕事はまず自分が楽しんでなきゃ、お客さまに伝わらないと思うんです。楽しい以外の怒りや悲しみなどの感情も伝わらない。だから、今生きていることを楽しまないといけないと思うので、“楽しい”という感情は常に忘れないようにしています。
――最後に「17.3」も終盤となりました。劉生が再登場し、また問題を起こすというか、なんと言うか…。
大問題ですよ!劉生は第7話の終わりぐらいから出てきますが、8・9話とまた暴れ出すと言いますか、パワーアップして帰ってきます。カムバック劉生!です。第1話以上に非難される予定でいます(笑)。今回の作品では、非難されること=お芝居を褒められることで、嫌われてナンボの役だと思っていますので。
――覚悟はできていると?
出来てます!何を言われてもウエルカムです(笑)。(ザテレビジョン)