現在放送中のドラマ「アンナチュラル」(TBS系)で、石原さとみ演じる法医解剖医・三澄ミコトの弟・秋彦を演じている小笠原海。本格的に連続ドラマに出演するのは今作が初めてという彼を直撃!また、ダンスボーカルグループ・超特急のメンバーとしても活躍する彼に、俳優業と音楽活動についても話を聞いた。
【写真を見る】「家の中に石原さとみさんと薬師丸ひろ子さんがいたら、仕事の後、直帰しますよね(笑)」と話す小笠原海
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タイトルは「アンナチュラル」ですけど、いかにナチュラルな芝居をするかっていう(笑)
――海くんが連続ドラマにレギュラー出演するのは今回の「アンナチュラル」(TBS系)が初めてですが、出演が決まったときの心境はいかがでしたか?
海:すごくうれしかったです。昨年、自分が出演させていただいた映画「東京喰種 トーキョーグール」や「ハローグッバイ」が公開して、自分としてもどんどん演技に挑戦していきたいなと思っていたときに、このドラマのオーディションのお話をいただいて。絶対やりたい!と思って臨みました。
――オーディションではどんなことをしたのですか?
海:秋彦役のオーディションだったんですけど、3人1組で秋彦とミコト、お母さんの夏代を交代で演じるっていう。でも、そんなガチガチな雰囲気というわけではなくて、ディレクターの方やプロデューサーの方とお話しながら進んでいくって感じでした。これまでのオーディションでは緊張することが多かったんですけど、今回はリラックスしてできたと思います。それは現場でも同様で、特にディレクターさんが気に掛けてくださって、すごくありがたいです。
――ドラマを拝見していても、すごく自然な空気感が伝わってきます。たびたび登場する、秋彦の料理シーンも自然体というか。
海:そうですね。作品全体として、タイトルは「アンナチュラル」ですけど、いかにナチュラルな芝居をするかっていう(笑)。実際、放送されるドラマを見ても、例えば1話でのミコトと彼氏が居酒屋にいるシーンで、周りのお客さんの話し声やテレビの音がそのまま入っていて、本当、普通の日常を切り取った感じになってるんですよ。そういうのをどのシーンでも大切にしながら撮影しています。
[PAGE]秋彦と自分との共通点とは…?
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秋彦の家族を大切に思うところは自分にも重なります
――秋彦を演じながら、自分との共通点を感じたりしますか?
海:三澄家の中で秋彦は一番年下ですけど、姉ちゃんや母ちゃんを守る責任感が強くて。そういう家族を大切に思うところっていうのは、自分とも重なる部分がありますね。うちの父も、三澄家の父親ほどではないですけど(笑)、仕事で帰りが遅かったりして、母と妹、僕の3人でいることが多かったので。何かあったときには自分が守るという気持ちは、秋彦と共通してると思います。
――家の中に石原さとみさんと薬師丸ひろ子さんがいるっていうのもすごいですよね(笑)。
海:こんな家族だったら、仕事のあと直帰しますよね(笑)。お二人は現場でもすごく優しいんです。超特急のことも、どんな感じでやってるの?とか、聞いてくださったりして。居心地のいい、あったかい空気を作ってくださるので、僕も秋彦として集中できるというか。それに、監督をはじめとするスタッフさんたちも、普段から”秋ちゃん”とか”アッキー”とか”秋さま”とか(笑)、いろいろな呼び方で呼んでくださるんです。秋彦というキャラクターを愛してくださっているんだなぁって。本当、空き時間とかもスタッフやキャストのみなさんとずっと喋ってます。
――どんなことを話してるんですか?
海:何だろう? そうやって聞かれても思い出せないくらい、多分他愛もないことです。でも、あ〜、楽しかったなぁって気持ちだけは残るっていう(笑)。なので、現場に行くのがすごく楽しみなんです。
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秋彦が姉ちゃんにとって落ち着ける存在になっているんだなと思ってうれしかった
――石原さんや薬師丸さんをはじめ、井浦新さん、窪田正孝さん、市川実日子さんなど、個性的な役者さんに囲まれての撮影は刺激を受けることも多いのでは?
海:特に姉ちゃん(石原)は、監督さんやプロデューサーの方と演技について細かく話をされていて。その姿を見て、ミコトという役に真摯に向き合ってるんだなと思いました。中でも印象的だったのが、7話(23日(金)放送)の冒頭で秋彦の職場に姉ちゃんが来るシーンがあるんですけど、そこで姉ちゃんがものすごく笑顔になるんです。そのときに姉ちゃんが「私、このドラマでこんなに笑ったの初めて」とおっしゃっていて。気付かないうちに笑顔になっていたみたいで、「こんなに笑うかな? でも、弟と一緒にいたら笑うか」とも言っていて、それを聞いたとき、秋彦が姉ちゃんにとって落ち着ける存在になっているんだなと思ってうれしかったです。
[PAGE]海が印象深いと思った話は…?
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このドラマ、もし自分が出てなくても、きっと普通に見てたと思います(笑)
――7話は(海くん演じる)秋彦が勤める予備校に通っている生徒の話ですね。
海:それもあって印象に残ってます。でも、5話(2月9日放送)の、自殺と判定されていた恋人の遺体をUDIに持ち込むっていうエピソードも、7話とは違う重たさがあって心に残りました。それから、一視聴者として見ててスッキリしたのは3話(1月26日放送)かな。法廷に中堂さん(井浦)が登場したシーンは、中堂さん、ありがとう〜!みたいな感じで(笑)。
――普通に見てるんですね(笑)。自分も出演していて、なおかつ台本も読んでいるのに楽しめるものですか?
海:毎回楽しく見てますよ(笑)。撮影でもラボとかには行ってないので。台本を読んで想像していたことも、映像になるとまた違った感じで、こういうことが起きてたんだとか、逆に新鮮に見られますね。それでも面白いんだから、もし自分が出てなくても、きっと普通に見ていたと思います(笑)。
――これまで放送された中で印象深いシーンや、特に影響を受けた共演者の方はいますか?
海:2話(1月19日放送)の最後、北村有起哉(宍戸理一役)さんが葬儀場の前で電話するお芝居がすごい!と思って。石段を上がったり下がったりしてたんですけど、これ、やってる人いるじゃないですか。それがすごいなと思って。それこそ、僕も電話で話すシーンがあったんですけど、どうするのが自然なのか、考えれば考えるほど分からなくなっちゃって……(苦笑)。そこは監督さんやプロデューサーさんと話しながら、最後まで試行錯誤しました。何か、そういう細かい演技って、今までだったら気付かなかったかもしれないんですけど、このドラマをやったことで自分の価値観が広がったような気がします。あと、市川(東海林夕子役)さんが芝居の中で中堂さんのことを喋るとき、絶対にアゴが出てるんですよ(笑)。それは苦手な人のことを喋るかららしいんですけど、ご本人も人に言われるまで気付いてなかったらしくて。そんなふうに自然に出ちゃうっていうのが面白いなぁって思いました。
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いつかメインキャストになって、このチームに参加させていただきたい
――海くんは超特急のメンバーとしても活動されてますが、ドラマの撮影との両立は大変じゃないですか?
海:でも、どっちも楽しいので。あんまりハードとは思ってないんですよ。撮影は昨年末から年明けにかけてのアリーナツアーのリハーサルとかぶったりもしてましたけど、メンバーやスタッフのみなさんがバックアップ体制を取ってくれていて。進んだところがあれば動画とかで共有してくれたり、振り付けの先生が僕のために時間を取ってくださったり。みんなで支えてくれたので、安心してドラマに専念することができました。
――年末の横浜アリーナ公演には、アンナチュラルチームも来場されてましたね。
海:そうなんです。みんな楽しんでくれていて、すごくうれしかったです。ただ、僕たちが出る前に、窪田さんがお客さんからキャー!!って言われてたんですよ(笑)。でも、窪田さんはライブ中もすごかった! ステージから見てて、めっちゃ盛り上がってくれてるな〜って思いましたもん(笑)。ずっと立って踊ってくれてたので。超特急としてライブも見てもらえて、本当に良かったし、僕自身もすごく楽しんでできました。
――聞けば聞くほど、いいチーム、いい作品に出会えた喜びが伝わってきますね。今回のドラマを経験して、演技に対する意識も変わってきましたか?
海:そうですね。一番強く感じたのは、いつかメインキャストになって、このチームに参加させていただきたいっていうこと。ここで求められてるような、自然な芝居ができるようになることが、自分の目指しているものだと思えたんですよね。実際、スタッフさんたちにも「絶対にまたできるように、頑張ります!」と宣言したくらい。この作品は役者としてはもちろん、自分の人生にとっても、とても大事な出会いだと思っています。(ザテレビジョン・取材・文=片貝久美子)