阿部華也子、お天気キャスターからオールラウンダーに! 「失敗を恐れず、自分の意見を発言できる人になりたい」【連載:Museの素顔 #8】
多数のフリー女性アナウンサーが所属する芸能事務所「セント・フォース」とWEBザテレビジョンがコラボした月イチ連載「Museの素顔」。本連載では、多くの情報・報道番組やバラエティー番組、さらにはCMやモデルといった幅広いジャンルで活躍中の「セント・フォース」所属の女性アナウンサーに、仕事に懸ける真摯な思いから、テレビからは伺い知れないパーソナルな一面まで、彼女たちの魅力や素顔に迫っていく。
第8回は“かやちゃん”でおなじみの阿部華也子アナウンサー
第8回は、大学在学中からセント・フォースに所属し、2016年からこの4月1日まで歴代最長の6年間、「めざましテレビ」(フジテレビ系)の7代目・お天気キャスターを務めた“かやちゃん”こと阿部華也子アナウンサー。4月からは「めざましどようび」(フジテレビ系)の総合司会に就任し、新たなステージへと歩みを進めていく阿部アナウンサーに、仕事の面白さややりがい、そしてプライベートについてもお話を伺いました。
大学2年生でお天気キャスターに。学業との両立に奮闘の日々
――まずは、阿部さんがアナウンサーを目指したきっかけを教えてください。
元々、保育園ぐらいのときから漠然とキラキラした世界に憧れていて。中学生の頃、保育園のときに埋めたタイムカプセルを開けたら「モーニング娘。になりたい」と書いてあったので(笑)、アイドルになりたかったんでしょうね。ただ単に憧れで、具体的な将来の夢というわけではなく、その後の日々過ごしていって。それでも何となく、情報を伝えたり、司会をしたり、そんな仕事ができたらいいなという感覚はありました。
――高校時代には地元・大分でアイドルとしての活動もされていたんですよね。
中学3年生から高校2年生までやっていました。“アナウンサーに何かつながるかな”という気持ちで始めたというのもあるので、そのときにはしっかり考えていたと思います。大学に入ってカフェでアルバイトをしていたのですが、店長が大学の先輩で、「美学生図鑑」というWEBサイトの写真を撮っている方で。その撮影に声を掛けていただいたとき、「アナウンサーになれたらいいなと思っている」ということを話したら、今の事務所を紹介してくださったんです。それが1年生の6月くらいでした。
――入学してすぐだったんですね。事務所の面談などのことは覚えていますか?
あまり覚えてないんです…。一人で事務所にずかずか踏み込んでいったのは覚えているんですけど(笑)。今思えば、業界のことも分からないのによく行ったなぁ、肝が据わってるなぁって思いますけど、アイドル活動をしていたことで表に出ることや、知らない方に会うとか、その場での振る舞いとか…何となくイメージはできていたので、多少は慣れていたのかなと思います。
――当時、憧れのアナウンサーはいましたか?
高島彩さんにすごく憧れていました。私にとってはもう“伝説の方”なんですけど、高島さんのように、しっかりと空気を読んで、その場、その時にふさわしいことを言うことができるアナウンサーになりたいなと思っていました。
――2016年の4月から「めざましテレビ」のお天気キャスターに就任するわけですが、不安と期待、どちらの方が大きかったですか?
月曜から金曜の朝、生放送ということで、生活リズムは大きく変わるだろうし、学生をやりながら務めることにすごく不安はありました。いざやってみると、やっぱり大変でしたね。でもそれも、“今思えば“です。当時は本当に“がむしゃら”と言いますか。朝、仕事に行って8時に終わったら、そのまま大学に行って、9時から一限の授業を受けて…という生活に何も感じていなかったというか、それが普通。テストの時期は、泣くぐらい辛かったこともあったんですけど、やるしかない!という気持ちでした。
――そんな中、過ごした大学生活で思い出に残っていることは?
それが、ほとんどないんです。授業を終えたら、そのまま家に帰るか、仕事に行くかだったので、大学で授業を受ける以外のことをほぼやっていなくて。サークルにも入っていないし、友達と学食でご飯を食べることもほとんどなかったですし…。でも、その分、人ができないような経験をさせてもらっていたので、後悔はもちろんありません。でも、もしもう一度学生生活を送れるなら、サークルに入るとか、いろいろしてみたいですね。
“あっという間”の6年間。卒業直前にある目標を達成!
――先日の卒業まで「めざましテレビ」のお天気キャスターは6年間、務めることになりましたが、どんな仕事が印象に残っていますか?
1年目の夏休みに、1カ月間掛けて全国を回りながらお天気をお伝えする「お天気キャラバン」という企画があって。あのときにいろんな人に出会って、触れ合って、お話を聞かせてもらったのは本当にいい経験でした。どんな風に話を聞いたら相手が答えやすいかとか、そんなことを学ぶいい機会になりました。目の前のことを必死にやることしかできなかったし、楽しむ余裕もなかったぐらい大変でしたけど、今でも取材に行くときに、あの経験が生きているなと思います。
――仕事の楽しさややりがいは、どんなときに一番感じていましたか?
お天気のコーナーは、私のときは1日6回お伝えしていたんですが、一回一回に達成感があるんです。失敗したら落ち込みますが、それでも次の回にやり直せる、という良さもありましたし、20分に1回ぐらいコーナーが回ってくるので、落ち込んでいる暇もない。一度忘れて、全部が終わって、1日の終わりに反省して寝る、みたいな感じじゃないとやっていけませんでしたね(笑)。改めてお天気って本当に大事ですよね。災害時は、自分の責任の重大さみたいなものを本当に感じました。今この時に、誰かが亡くなるかもしれないような災害が起きているという日もあったので、そんなときは「自分で大丈夫なのか」って思うこともありました。
――仕事を続ける中で悔しいなと感じたことはどんなことですか?
元々原稿は用意されているんですが、私が読んでいるときに注意報や警報が出てきたら、それをどこかに入れてお伝えしなきゃいけないんです。初めはアドリブでそれを挟むということができなくて、結局お伝えできなかったことが何度かあって…。自分の技量の足らなさに、すごく悔しい思いをしていました。生放送だから尺も決まっていて、0.5秒単位で進めていかなくてはいけないので難しいのですが、危険が迫っているのに、それをお伝えできなかったことは悔しかったと今でも思います。それができるようになったのは、この2年ぐらいでしょうか…。少し余裕が生まれてきたのかもしれません。
――では、一番嬉しかった出来事は?
たくさんありますけど、卒業の日に、“こんなにみんなに愛されていたんだな”っていうのを感じることできたのは、本当に幸せで、嬉しかったですね。三宅(正治)さんからもありがたいお言葉をいただきましたし、YouTubeにもあがっているんですが、VTRを作っていただいて…。スタッフの方々も愛してくださって、育てていただいたんだな、というのをすごく感じた日でした。お父さん(三宅アナ)とお母さん(永島優美アナ)がいて、軽部(真一)さんが叔父みたいなポジションでいてくれて、お兄さん、お姉さんたちがいて、そして自分がいて…本当に“家族”でしたね。プライベートでも仲が良いんです。毎日忙しかったけれど、“ここに来ればみんながいる”って思える場所があったのは、本当に心強かったです。
――6年間、あっという間でしたか?
そうですね。でも、振り返って、すべてが美しく見える今だからこそ、そう思えるんだなぁ、とは思います。そういえば、実は卒業までの1週間、“一回も噛まずに伝える”という小さすぎる目標を掲げていたんです(笑)。それを無事、達成できたんです! 合計30回ぐらいの天気を一回も噛まずに伝えられたというのは、自分の中でちょっとガッツポーズした出来事でした! 「終わり良ければすべて良し」じゃないですけれど、当たり前のことなんだけど、ちゃんとできたなと思って、小さくガッツポーズを(笑)。
この春から「めざましどようび」の総合司会に新たに就任!
――そしてこの4月からは「めざましどようび」で総合司会に。始まってみていかがでしょうか?
初回は、とにかくミスなくやり遂げる、ということを考えていました。ほぼリハーサルもできていないまま飛び込んで、生放送が始まっちゃった…あ、終わっちゃった、みたいな感じで。本当にずっと怖かったんです。次に何が起こるか、よく分からないまま、緊張しっぱなしでした。「めざましテレビ」をいつも見てくださっていた方は、私がド緊張していることにたぶん気付いていたと思います。でも2回目からは、だいぶ楽しめました(笑)。
――現場はどんな雰囲気ですか?
平日とは違ってやっぱり週末感があるというか、より和やかな雰囲気なんです。2回目はそれをすごく感じることができましたね。生田(竜聖)さんもずっと“生田お兄さん”って呼んでいるぐらい仲良くさせていただいていますし、キクさん(西山喜久恵)はもう“めざど”が長いですから、不安なことは全部聞かせていただいて。お二人のおかげでだいぶ楽しめています。何があっても、きっと大丈夫。私が変なことを言ってもうまくフォローしてくれる(笑)。そんな安心感があります。
――卒業時、「自分がいない『めざましテレビ』を見るのがちょっとさみしいかもしれない」とおっしゃっていましたが、ご覧になりましたか?
後任の林佑香ちゃんは研修のときから一緒だったんですけど、そのときからかなりしっかりしていたので、“大丈夫だろうな”とは思っていたんです。放送を見たら、落ち着いていて、思った以上にしっかりしていたので、さみしさよりも、“もう任せられるな”っていう気持ちで、すごく安心しました。
――後輩で言うと、「めざましどようび」のお天気キャスター・谷尻萌さんとの先輩・後輩感も、とても微笑ましいです。
萌ちゃんはもう慣れているので、安心しています。でも、後輩ができるっていうのはやっぱり新鮮ですね。長くやらせてもらっているんですが、ずっと年下だったので、お姉さんになったんだな、と思いました。
――今後、何か挑戦してみたいお仕事はありますか?
今、「めざましどようび」で、美味しいものを食べたり、ロケに出たり、インタビューをさせていただいたり、わりとオールラウンダーとして使っていただけている感じがするので、“やってみたい”はすごく満たされているんです。その中で、いろいろ経験させてもらいながら、キャスターとしても、もっと成長できたらなと思っていますし、将来的には自分の意見がちゃんと言える人になれたらな、と思います。そのためにはやっぱり勉強が必要ですけど、恐れずに、発言をできる人になっていきたいです。
YouTubeでは素に近い自分を。ファンと一緒にいられる場所に
――YouTube「かやちゃんねる」も積極的に動画を配信されていますが、YouTubeは阿部さんにとってどんな場所になっていますか?
テレビではお見せしていない自分がたくさんいますし、もう少し私の素に近い部分も見ていただけたらな、と思いながら、ゆる~くやらせていただいています。
――ダンス動画、素晴らしいですね。
覚えるのが大変なんです…! ダンスはアイドル時代からやってきたけど、覚えるのも遅くなったし、昔よりだいぶ踊れなくなってる…って毎回思いますけど、やっぱり楽しいです。体を動かすのは好きなので。
――踊ってみたい曲はありますか?
この間、「The Feels」っていうTWICEの曲を1曲覚えたら、結構燃え尽きちゃって…(笑)。でも、見ていると、そういう踊りたい“振り”とかっていうのがやっぱりあるので、流行りの曲とか、また挑戦できたらいいなと思っています。
――ほかに今後、挑戦してみたい企画などありますか?
室内にいる画が多いので、そろそろロケに行けたらいいなと思っています。食べるのが大好きなので、ラーメンとか食べたいなぁ、って。それに、なるべく視聴者の皆さんの「やってほしい」を実現できる場でありたいと思っているので、皆さんからの声を聞いていきたいですし、皆さんとの距離がなるべく近い場所であるといいなと思っています。
――では少し、プライベートのことも。最近のマイブームはありますか?
おうち時間が増えて、手芸とかをやりたいなと思っていたんです。母がネイルをするのが好きで、「ファッションによってネイルを変えたい」ってネイルチップをつけているのを見て、私も作れるんじゃないかと思って、最近、ネイルチップ作りにハマっています。時間があるときに、2~3時間、職人のように黙々とやっています。何も考えずに、そのことだけをやるっていうのがリフレッシュになっている気がしますね。作ったものは母に送って、使ってくれています。
――ほかに、実はまだ見せていない一面や新しく始めたことは?
YouTubeで結構さらけ出しちゃっていますけど(笑)、うーん…宅トレですかね。YouTubeを見ながら、おうちで運動をするのが好きで、できるときは、なるべく1時間以上やるようにしています。元々ジムに通っていたんですけど、コロナ禍というのもあるし、ジムに行くために着替えることや、往復の時間がもったいない気がして。それで宅トレを始めたら、家でも意外と動けることに気づきました。よく見ているのは、竹脇まりなさんの動画ですね。1年ぐらい続けているんですけど、体も変わってきて、当時の自分とは全然違いますね!
人は人でしか磨けない。一つ一つの出会いを大切に
——では最後に、言葉を生業にするアナウンサーということにちなみ、「仕事で大切にしている言葉」、「誰かに言われた心に残っている言葉」、「好きな言葉」、この3つを教えていただけますか?
■仕事で大事にしている言葉:いつも誰かが見てくれている
いい意味でも、悪い意味でも心に留めておかなきゃいけない言葉だなと思っています。「誰も見てないからいいや」と考えてしまうことって結構あるし、反対に、たとえそのときは見ていなくても、常に心掛けておくと、ちゃんと見てくれている人がいる、とか。日常で大切にしたい言葉です。
■誰かに言われた心に残っている言葉:恐れずフルスイングで行け!
間違ったことを言っちゃいけないし、言ってしまうんじゃないかと怖いんですけど、先日、森永卓郎さんとお仕事をご一緒させていただいたときに、「失敗を恐れなくていい」っていう風に言ってもらえました。
■好きな言葉:ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない
座右の銘みたいな感じですが、すごく好きな言葉です。子供の頃に父がよく言っていて、それ以来、大切にしています。ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けないし、人は人でしか磨けない、っていう意味だと私は捉えているので、いろんな人との素敵な出会いを大事にしつつ、いろんな人に磨いてもらえたらなと思っています。
阿部華也子 プロフィール
あべ・かやこ=1996年6月18日生まれ、大分県出身。B型。2016年4月から「めざましテレビ」7代目のお天気キャスターに就任し、2022年4月1日の放送をもって卒業。4月9日からは「めざましどようび」の総合司会兼エンタメキャスターを務めている。
交流のある同事務所所属のアナウンサーは「一番仲が良いのは高木由梨奈ちゃん。仕事仲間というより友達です(笑)。高見侑里さん、岡副麻希さんにはとてもお世話になっています。一緒に食事に出かけたり、仕事のこともLINEとかでやり取りさせていただいて、助けてもらってます。最近は麻希ちゃんのご結婚をお祝いして、旦那さんとのエピソードもちょっと聞かせてもらいました!」
取材・文=四戸咲子
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