若手女優の登竜門とされる「ポカリスエット」のCM出演で注目を集めた茅島みずきが、吉沢亮&杉咲花W主演の映画「青くて痛くて脆い」(8月28日・金公開)で映画デビュー。若干16歳にして、演じるのは主人公・楓(吉沢)のアルバイトの後輩で大学生の川原理沙。初めての映画撮影について、そして事務所の先輩でもある吉沢や、ほかの共演者との撮影裏エピソードを聞いた。
吉沢亮さんは役への切り替えがすごい
――「青くて痛くて脆い」が映画デビュー作となりましたが、出演が決まったときの感想を教えてください。
このお仕事を始めた時から、映画に出演したいと思っていたので、とてもうれしかったです。でも、やっぱり初めてなので分からないことも多くて、すごく緊張しました。周りの共演者の方々や監督、スタッフの皆さんにたくさん支えていただいて、無事に撮影を終えることができました。
――初めての映画の撮影現場で印象に残っていることはありますか?
ずっと緊張していたのですが、吉沢さんや杉咲さんが「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」と声を掛けてくださいました。そのおかげで楽しく撮影することができました。
――吉沢さんは事務所の先輩でもあると思いますが、何か具体的なアドバイスをいただいたりはしましたか?
お芝居について話したというよりは、励ましていただいたことの方が多かったです。吉沢さんは周りのことをすごくよく見てらっしゃるので、私が困っているときにもすぐに気づいて話し掛けてくださいました。
あと、吉沢さんは役への切り替えがすごいと感じました。本番になるとすぐに役に入られていて、さすがだなと思いました。
ゴルフのサークルがあれば入りたい
――茅島さんが演じられた川原理沙は、どういう女性だと思いましたか?
芯がブレないというか、すごくガンコな部分があって、思ったことは言わないと気がすまないところがありながら、自分の悩みには不器用で、人づきあいが少し苦手な女の子だと思いました。
私自身も理沙と似ていて、ガンコで人見知りなところがあるのでやりやすい部分もありましたが、自分よりも5歳ぐらい年上の役だったので、想像しながら演じる部分もあって、苦労しました。
――16歳とは思えないほど大人っぽく見えますが、撮影当時はまだ15歳だったんですね。役とはいえ、大学生を経験してみていかがでしたか?
大学やサークルがどういうところなのかが分からなくて、撮影前に実際に大学に行ってサークルの見学もしました。なので、それを参考にしながら演じていましたが、実際に大学生の方にお会いすると、やっぱりお兄さん、お姉さんでした(笑)。
――もし大学に入ったら、どんなサークルに参加してみたいですか?
私は小さい頃からゴルフをやってきたのですが、私の世代でゴルフの話ができる人があまりいないんです。なので、ゴルフのサークルがあれば入りたいですし、私は音楽も好きなので、そういうサークルもいいなと思います。
――「青くて痛くて脆い」はコミュニ―ションが苦手な大学生のお話で、本当にタイトル通りの作品だなと思いましたが、完成した作品を見ていかがでしたか?
最後の衝撃がとてもすごくて驚きました。でも、楓(吉沢)と秋好(杉咲)のやりとりは微笑ましくて。登場人物がそれぞれに悩みを抱えているので、見てくださる方も共感できる部分がたくさんあるのではないかと思いました。
目の前にいたら、助けてあげたいなと思います
――茅島さんが一番共感したところはどこですか?
私と同性代の中学生の女の子が出てくるのですが、個人的に共感したのは、やっぱりその子のエピソードでした。中学生にしか分からないモヤモヤした感じとか、複雑な感情は、すごくよく分かりました。
――ちなみに、他人と距離を置きながら生きている楓のような男性をどう思いますか?
多分、楓は秋好との関係を悩みに悩んで、それで闇を抱えてしまったのかな…と。そういう人が目の前にいたら、助けてあげたいなと思います。楓にも手を差し伸べてくれる人がいたら、変わっていたのかなとも思います。
――今回、映画デビューしてみて、演技の楽しさや難しさを感じたことはありましたか?
私は没頭できることが好きなのですが、役について考えているときは楽しいですし、これまでにもいろんな習い事をしてきましたが、お芝居が一番没頭できると感じました。難しかったのは、微妙なニュアンスで伝えることです。私は役の価値観に沿って演じることを心掛けています。今回も川原理沙の立場になって考えるとつらい部分もあったのですが、そこをどう表現するのかが難しいと思いました。
――最後に、今後の女優さんとしての目標を教えてください。
振り幅のある、どんな役でも演じられる女優さんを目指しています。「暗黒女子」(2016年)という映画で、主演の飯豊まりえさんが二面性のある役を演じられていて。そのお芝居がとても素晴らしくて、私もああいう役をやってみたいなと思いました。実際に自分がやるとなると、頭がパンクしてしまいそうですけど(笑)、ぜひ挑戦してみたいです。
映画「青くて痛くて脆い」あらすじ
人付き合いが苦手な大学生・田端楓(吉沢亮)と、空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃(杉咲花)。ひとりぼっち同士の2人は、「世界を変える」という大それた目標を掲げる秘密結社サークル「モアイ」を作るが、秋好は“この世界”から、いなくなってしまう…。
その後、「モアイ」は社会人とのコネ作りや企業への媚売りを目的とした意識高い系就活サークルに成り下がり、取り残された楓の怒りや憎しみが暴走。秋好が叶えたかった夢を取り戻すために親友や後輩と手を組み、“モアイ奪還計画”を企む。(ザテレビジョン・取材・文=馬場英美)