名取裕子演じる法医学者・二宮早紀とその夫で刑事の一馬(宅麻伸)が、事件を解決する姿を描く人気シリーズ「法医学教室の事件ファイル スペシャル」が11月18日(日)(夜9:00-11:05、テレビ朝日系)に放送される。
1992年から26年にわたって夫婦を演じてきた名取と宅麻の対談がついに実現! 意外にも対談という形で語り合うのは初めてという2人に、お互いのことをどう思っているのかなど、知られざるエピソードを聞いた。
――26年にわたって夫婦を演じられて、お互いをどう思っていますか?
名取:このシリーズ以前にも共演していて、宅ちゃん(宅麻)のことは若い頃から知っています。父のお葬式のときは受付もやってくれて、幼なじみの同級生のような“身内”のような感覚かな。
宅麻:もはや“親戚の域”ですね(笑)。26年というと、結婚生活ならそろそろお互いが“空気”になるころかな。人間にとって絶対に必要なものだからね、空気って!
――お互いに俳優としてここがすごいなと思うところは?
名取:やっぱり宅ちゃんってかっこいいなと思ったの。美しいって、それだけでも素晴らしいことよね。あと、宅ちゃんはお芝居が大好きで、あまり理屈は言わないけれど、いつも撮影のことをきちんと考えている。集中力も高い!
宅麻:いやいや、集中力がすごいのは、名取さんの方ですよ(笑)。芝居に対しての集中力もそうだけど、食べ物に対する集中力も趣味に対する集中力もすごい! これだけ何もかもに集中して一気にできちゃうのは、大したものだと感心しています。その上、スタッフの栄養のことまで気を配っているんですから。
名取:自分で言うのもなんだけど、私差し入れを出すタイミングは抜群にうまいの(笑)。あとはメダカと犬の世話をして、せりふも覚えて頑張ってます(笑)。
宅麻:本当に名取裕子という人物が何人かいるのかなと思うぐらい、気が回るんですよ。かわいい部分もあれば、男っぽい一面もあるし、現場ではみんなのことを心配する“お母さん”的な立場でもある。
名取:この現場では、特に“お母さん”としての感覚が強いですね。だってスタッフはこの作品を作るために、私たちよりも長い時間を費やして、頑張ってくれている。だから、やっぱりみんなのフォローをしてあげなきゃと、ついつい世話を焼いてしまうんですよね。
早紀と一馬は強い絆で結ばれている
――早紀と一馬は、夫婦としてお互いにどう思っていると感じていますか?
名取:それこそ“空気”かな。相手のペースをそれとなく気遣うのが当たり前になっている。夫婦ってかっこ悪いところを見ても好きでいられることが大事だと思うのですが、きっと早紀と一馬はお互いイケていない姿を見ても動じない。そんな夫婦間の空気が視聴者の方にも届けばいいなと思っています。
宅麻:早紀が危険なことをすると一馬は怒鳴ったりするけど、あれはあくまでも愛情表現。一馬は愛情を表すのが下手なので、いつも心配して駆けつけるシーンで彼なりの“愛”を見せていたのですが、今回はでは2人で協力して事件に立ち向かうこともあり、助けるシーンがなくて。今回、愛情表現が足りてないかもね(笑)。でもやっぱり、一馬は心底、早紀のことがかわいいんだろうなと思う。
――アドリブでのやり取りも多いということですが。
名取:ラストシーンは、いつも監督から「1分40秒間、よろしくね」と言われて、2人のアドリブでやっていますね。
宅麻:僕らの間では「こんなことを言うから、こうリアクションしましょう」みたいなものはなく、自然に出てくるものを大事にしています。早紀が後ろからパッと僕のお腹に手をやって、「あなた太ったわね」って言うから、僕も手を後ろにやって「お前もな!」ってアドリブで言い合ったことがあったね(笑)。
名取:あったね~! 監督も笑ってたよね。でもなかなか言えないことよね、人のお腹を触って「太った」なんて(笑)。
宅麻:確かに美人女優のお腹を触って言うことじゃなかったね(笑)。
――26年の間にお互いに変わったなと思うところはありますか?
宅麻:名取さんは昔から生意気だったし(笑)、最初からお互い素直に自分を出していたから、変わっていないと思っています。俳優としても人間としても、ずっと信頼していますしね。
名取:変わらないところの方が多いけれど、宅ちゃんも冒険的な作品に出たりして、振り幅が大きくなってきて、すごくいい貫禄が出てきたなと思う。前作から髪もロマンスグレーにして、年相応の魅力がそのまま出せるようになってきた。ほんとかっこよく仕上がってきたよね!
――みどころをお聞かせください。
名取:早紀の法医学と一馬の捜査という2人のコラボで事件を解決していきますが、最新作は特に夫婦のあり方や夫婦間の秘密について問題を投げ掛けていきます。視聴者の皆さんにとっても「うちの家庭も同じだわ」と思うようなエピソードが散りばめられていると思いますし、見終わった後パートナーにちょっぴり優しくなれたり、明日からまた頑張ろうと思っていただけたりしたらうれしいですね。
宅麻:今回も事件はかなり複雑な謎が絡み合うのですが、見てくださった方々が最後は「夫婦っていいな」となんとなくほっこりしていただけたらいいですね。
――最新作ではなんと2人に離婚の危機が訪れるとのことなのですが。
名取:26年の歴史の中で、離婚届が登場するのは初めてです。七海おばさま(由紀さおり)が、2人の危機をすぐあおるんですよねぇ(笑)。
宅麻:あの衝撃シーンは内心、演じるのを楽しみにしていたんですよ。一体どんなシーンに仕上がったのか、そして早紀と一馬がどう離婚の危機を乗り越えるのか、ぜひ楽しみにご覧いただきたいですね!
事故死ではなく他殺…その真相は!?
雑木林で男性の遺体が発見され、早紀は現場に駆けつける。死んでいたのはレストランのオーナーシェフ・綾部千尋(星野真里)のパートナー・笹岡稔(中村俊介)で、2人は6年前から事実婚関係にあったという。直前、雑木林に落雷があったため、雷に打たれたことによる事故死かと思われたが、早紀の検視により他殺であると判明する。
そんな中、千尋と稔の仲が冷え切っており、千尋には別に恋人がいたといううわさが浮上。しかも、遺体の確認に訪れた稔の兄・裕一郎(住田隆)が「この遺体は弟ではない」と言い出し、早紀も一馬も驚く。その後、遺体の元妻と名乗る野上恭子(中山忍)やその父・耕造(平泉成)が現れ、事態が混乱する中、新たな殺人事件が発生。早紀と一馬は、連続殺人の真相究明に向け、衝突しながらも夫婦で突き進んでいく。(ザテレビジョン)