連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。11月18日放送の第113回では、高校球児として第20週「栄冠は君に輝く」に登場した竹中渉(伊藤あさひ)が再登場。華(古川琴音)との恋の結末が初めて明かされ、注目を集めた。(以下、ネタバレがあります)
受け取られなかったネクタイ
ラジオドラマ「君の名は」の大ヒットなど、裕一(窪田正孝)と池田(北村有起哉)のコンビが絶好調の第23週「恋のメロディ」(11月16日[月]~11月20日[金])では、並行して華のエピソードも描かれている。第113回では、華の高校時代の恋愛エピソードの結末が描かれた。
音(二階堂ふみ)にお見合いを勧められた華だが、気乗りはしない。引き出しに眠っていた思い出の品を引っ張り出して捨てようとするが、それもできず…。思い出の品・ネクタイに秘められたエピソードが回想で綴られた。
遡ること1年半。華は高校時代のあこがれの先輩だった渉と付き合っていた。大学を卒業し、就職を決めた渉に華は就職祝いの赤いネクタイを手渡したが、渉の表情は暗かった。
「プロになれなかった。もう終わりだ」。渉は、目指していたプロ野球の世界に入ることができず絶望していた。「あきらめないで。きっとまたチャンスは来る」と励ます華に「別れてくれ。君はいい人だ。だけど僕には重い」と言い残し、去ったのだった。
成功した人も、挫折した人も描く「エール」
渉を演じる伊藤は「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」(2018年、テレビ朝日系)の“ルパンレッド”役を演じた注目俳優。それだけに、渉と華のその後が描かれることなく新たに霧島アキラ(宮沢氷魚)が現れたことで、視聴者からは「あの野球少年はどうしたの?」と声が上がっていた。
「あさイチ」では博多大吉も「彼はルパンのレッドだったから。彼が(アキラに)変装してる説をね、一人だけ唱えてるんですけど」と、渉のその後を気にかけ、「ルパンレッド」がYahoo!検索ランキングでトレンド入りを果たしたほど。
その疑問に応えるように明かされた華と渉の恋の結末に、「あのあと、2人は付き合ったんだ」「ちゃんと描いてくれてよかった」「そんな別れ方だったのね。華ちゃん、つらいね」といった声が上がり、この日も「#エール」がトレンド上位に浮上した。
ヒット曲を次々生み出す裕一(窪田正孝)や人気歌手に成長する久志(山崎育三郎)、作詞家として大成する鉄男(中村蒼)をはじめ、才能を開花させ成功する人物たちが数多く登場してきた「エール」。
一方で、実力を思い知らされ主演舞台を降板した音をはじめ、裕一のもとで作曲家として修業するもうまくいかなかった五郎(岡部大)、コロンブスレコードのオーディションに合格できず歌の道をあきらめたスター御手洗(古川雄大)ら、いくつかの挫折も描いてきた。
「あきらめないで」と励ます華に「どうして『サラリーマンでも楽しいことあるよ』とか、気を紛らわすこと言ってくれないの?」と問い返し背中を向けた渉もまた、大きな挫折の中にいる。だが華は妻として母親として人生に生きがいを見出し、五郎は馬具・革製品の職人に成長。御手洗は占い師として人生を謳歌している。
あえて過酷なエピソードを背負って去っていった渉にも「つらいけどリアル。どっちの気持ちもすごくわかる」「渉くんは違う形で夢をつかんでほしい」といった“エール”の声が上がっていた。
渉との恋の終わりも描かれ、再び物語は華とアキラのエピソードへ。11月19日(木)放送の第114回では、華がアキラのリハビリ担当を引き受けることになる。