中国版TikTok「抖音」でライブ配信中だった女性が9月14日、元夫に突然襲われ、30日に亡くなっていたことが明らかになった。女性のフォロワーは78万人を超えており、配信中は画像が突然真っ黒に変わって女性の悲鳴が響き渡ったという。『Mirror』『The Sun』などが伝えている。
中国・四川省北部アバ・チベット族チャン族自治州金川県出身のラムさん(拉姆)が9月30日、病院で30歳の生涯を閉じた。ラムさんは9月14日の午後8時20分頃、自宅で中国版TikTok「抖音」でライブ配信を行っている最中に突然、元夫タン(Tang)に襲われていた。
中国メディア『北京青年報』によると、タンはバイクでやってくるとラムさんの首にナイフを当て、家族が見ている中でガソリンを撒き散らすとライターで火をつけたという。視聴者は「何者かがやって来た直後、ラムさんが配信していた画像が突然真っ黒になり、悲鳴が響き渡った」と当時の様子を語っており、これがラムさんの最期の配信となってしまった。
ラムさんはすぐに地元の病院に搬送され、昏睡状態のまま3日後に四川省成都市の病院に転院した。身体の90%に火傷を負う重傷で、一時は目を開けるなど回復の兆しも見られたが、事件から16日後に息を引き取った。
タンとの結婚生活は10年間に及び、ラムさんは男児2人を授かった。しかし長い間家庭内暴力で悩んだ末、今年6月に離婚。父親と同居したが生活は決して楽ではなく、12歳と3歳の息子は経済的に余裕があるタンが引き取っていた。
抖音でのラムさんは、美しい山々を背景にチベット族の歌を披露するなどして人気を集めており、家族がラムさんの治療費の寄付を求めると半日で約1550万円(100万元)の支援金が寄せられた。フォロワーはいつも明るかったラムさんの事件に酷くショックを受けており、「早く元気になって」「あなたの笑顔をもう一度見せて!」とラムさんを応援する声が多数あがっていた。
一方のタンは身体の45%に火傷を負って病院に入院中で、犯行の詳しい動機は明らかにされていない。ただ一部報道では「ラムさんが離婚したことを根に持っており、離婚後も執拗にラムさんを追い回していた」と伝えている。
ラムさんを失った家族は「息子2人の親権を取り戻し、集まった支援金を頼りになんとか生活を立て直すことができれば」と願っているという。
ちなみに8月にはアメリカで、33歳の男性が自宅で自殺する様子をFacebookでライブ配信し、TikTokなどで急速に拡散。SNSユーザーらが動画を見ないように注意喚起していた。
画像は『Mirror 2020年10月1日付「Social media star dies after ex-husband ‘set her on fire while she was streaming live’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)