ママやパパが子どもの頃、小学校は「3学期制」が当たり前でしたが、今は「2学期制」の小学校があることを知っていますか? 導入については各自治体に任されているため、地域によって2学期制の学校もあれば、3学期制の学校もあります。学期制の現状はどのようになっているのでしょう。
2学期制は2011年をピークに減少傾向に
次のグラフは、文部科学省が行なった「平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査」と「平成30年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査」の調査結果です。
2学期制を導入する小学校は、横ばいもしくは減少傾向にあるようです。
2学期制が導入されたきっかけは、2002年の学習指導要領と完全学校週5日制です。授業日数が大幅に減り、学力向上のためにできるだけ授業時間を確保したいと考える学校や自治体が増えたためです。2学期制のメリットとしては以下のことが考えられています。
・学期が減った分、始業式や終業式、テストの回数が減るため、授業時間を増やすことができる。
・学期末の短縮授業の時間が減らすことができるため、さらに授業時間を確保できる。
・通知表の回数が減ることで、その分、授業の準備にあてることができゆとりある授業展開ができる。
・教師もゆとりができることで、児童と深く関わることができる。
しかし、メリットがある一方、前期の途中で夏休みが入ってしまう、評価(通知表)の回数が2回に減ることで学習指導にやりにくさ出てきてしまうという点などから、2011年の学習指導要領の改訂に伴い、3学期制に戻した学校が出てきたようです。
※参考【2学期制と3学期制の年間の流れ】
ママたちは2学期制についてどう思っているの?
自分たち親世代が経験していないため、ピンとこない人も多い2学期制。実際に体験したママたちはどのように感じたのか、口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられた声をご紹介します。
■秋休みがあるので子どもは大喜び
「夏休み前に通知表がなく、前日まで普通に授業があって休み前の集会があるだけ、というのには親が慣れませんね。夏休み明けはいきなり給食のこともありました。普段の荷物+休み明けの大荷物だから子どもは大変です。始業式と終業式が少なくなるので、その分授業時間数が取りやすくなるみたいです。なにより夏休みのほかに秋休みがあるのか嬉しそうでした。親は『また休みかよ!』と思っていますが…」
■先生の通知表作成時間が少なくてすむのでは
「3学期制は早めに給食もなくなり、学級活動で振り返りなどの時間がありましたが、その時間は、ほとんどないです。先生は通知表の作成の時間が3学期制よりも少なくてすむのではないでしょうか」
■最初は違和感がありますが、すぐに慣れました
「通知表を頂くのが年2回になるだけです。うちの場合は、夏休み前には個人面談でそれまでの学習状況を教えてくださいます。11月前に前期の終業式があって(通知表を頂きます)週明けから後期になるだけです。最初は違和感がありましたが、すぐ慣れました」
■いまだに慣れないことも
「夏休み前に全校集会があるけど他は普通授業。夏休み明けの登校日は作品発表などあるけど、他は普通授業。10月上旬に秋休みが4日ほどあって、前後に終業式と始業式です。入学から5年たちましたが、いまだに慣れないアラフォーです」
今はまだ子どもが小さく、小学校と縁のない生活をしている人も、住んでいる地域の小学校が、2学期制なのか3学期制なのか、調べてみるのもよいかもしれませんね。(文・酒井範子)
〈調査データ〉
出典:「平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査」(文部科学省)
「平成30年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査(文部科学省)
■記事内のコメントは、ウィメンズパークの投稿を再編集したものです。