球界屈指の技巧派投手のツイートが物議を醸している。
事の発端は、現地時間11月20日にマーカス・ストローマン(シカゴ・カブス)が発信したツイートにあった。これまでもSNSで歯に衣着せぬ発言をしてきた30歳の右腕は、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の二刀流を酷評するMLB公式番組『HIGH HEAT』の動画を貼り付け、次のように切り込んだ。
「おもしろいよな。このふたりのマヌケが見せているクソみたいにしょうもないビデオを見てくれ。こいつらは野球のことをこれっぽちも理解していないし、何がメジャーのレベルで成功するのに必要なのかもわかってないメディアのやつらだ。世間はこんなもんを聞く必要はない。こいつらは目を覚ましてからテキトーに考えたくだらない意見を話しているだけだ」
もっとも、問題の動画は大谷がメジャー挑戦を決意したばかりの4年前に公開されたもので、当時は大半のひとびとが今季のような歴史的な快進撃を予期できていなかった点は、考慮すべきではある。事実、往年のレジェンドであるジョン・スモルツも「いずれ戦力外通告の決断もあり得るんじゃないかとすら言っていた」と語ったほどだ。
しかし、動画内で大谷を批判する大物コメンテーターであるクリス・ルッソとマイク・フランセサは、「周囲は大騒ぎしているが、オオタニは何も生み出していない」「ヤンキースが彼を獲れなかったのはラッキーだ。ベーブ・ルースでもない。それなのに話題ばかりが先行してマイナーにも落とせない」と散々に酷評。それは日夜、ハイレベルな争いをしている選手たちへのリスペクトに欠けた内容となっている。
ゆえにストローマンは辛辣な言葉を並べるのだ。大谷を「人間の形をした神話上の何か」と評する男は、先述のツイートにこう続けている。
「アスリートたち…決してこんなマヌケたちの意見を聞き入れるべきじゃない。自分の夢を追い、そして偽るな。誰もが、やるべきことに誠実に向き合う姿や将来どうなるかを判断できるわけじゃないんだ。こういうネガティブな評論によって、自分に歯止めをかけるアスリートたちもいるだろう。でも、こういうくだらない話は、くだらないやつらのマインドから生み出されるんだ。自分らしく、自分を信じろ」
大谷の成功を引き合いに、すべてのアスリートが持つ可能性を論じたストローマン。反発を生むような言い回しではあるが、その熱き意見は実に興味深いものだと言える。
構成●THE DIGEST編集部
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