連日の大活躍で日米のメディアを沸かせている大谷翔平。海を越えた日本のスターは、野球というプロスポーツ自体にも大きな影響を与えることになりそうだ。
オールスターゲーム開催地の地元メディア『デンバー・ポスト』は「MLBのマーケティングプランはスターに焦点を当てている」との見出しで記事を掲載。人気低迷にあえぐMLBの今後の展望を特集した。
まず記事は、MLBをめぐる現状を紹介。NFLバッカニアーズのQBトム・ブレイディの全米知名度が79%であるのに対し、MLB最高の選手であるマイク・トラウトの全米での知名度が22%という衝撃の数字を提示し、人々、特に若者の関心低下が顕著であることを示した。
ただ、「メジャーリーグはこの状況を変えようとしており、クアーズ・フィールドで行なわれるオールスターゲームがその出発点となる」とのことで、大谷のホームランダービー出場報告にMLBが制作した映像を使用した結果、SNSフォロワーが1週間で55,000人以上増加したというデータを明らかにした。NFLやNBAに後れを取っていたプロモーションに奮闘しているようだ。
スポーツアナリストのボブ・ドーフマン氏は今後、さらに選手個人の魅力を発信することが大切だと指摘。「野球界は、あらゆる手段を使って彼らの宣伝にもっとお金をかけるべき」と提言し、中でも、「この日本生まれのスター選手には、マーケティング上の大きな可能性がある」と、野球人気復活のキーマンに大谷を挙げた。
記事は次のように締められている。「オオタニはまだアメリカのスーパースターでもなければ有名人でもない。少なくとも、今のところは」。野球と言えば大谷と、誰もが口にする日が来た時、MLBはもう一度国民的スポーツに返り咲くのかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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