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両親との関係はいたって良好
●椎葉博之さん(38歳・会社員=仮名)
「ひとりっ子なので両親のことが心配です」
「最近、新車を購入しました。実家にも少しはお金を入れていますが、両親はそれを貯金しているようで……」
「ひとり暮らしから戻った身からすると実家のありがたみを実感します。結婚しても親と同居したいと考えています。出たほうが好きに暮らせるのはわかっていますが、両親の老後や収入、今後のことを考えたら……ひとりっ子ですし」
結婚しても親と同居したい
●竹内勇人さん(42歳・自営業=仮名)
「実家から出るメリットがわかりません」と語る竹内さん。
「親との同居は当たり前だと思っていたし、出ていく理由もないからひとり暮らしは考えたこともありません。親からも出ていけと言われたこともないです」
「家賃もゼロだし、お金のことを考えても実家暮らしのほうがいいと思うんですが……。特に不便もないですし」
「現在、生活の大半は父親の収入に頼っています。親も高齢になるので将来のことなども考えていかないと、とは思っています」
「稼げれば新居を建て、そこで親と同居します。そのときはこの部屋を丸ごと持っていきたいですね(笑)」
「親に孫の顔を見せたいとは思っています。でも収入がないし、実家暮らしだと相手を探すのは難しい」
「うちで同居したいと思ってるんです。この家、この部屋が重要なんですよね(笑)」
両親の身体のことも心配
●三橋雄二さん(34歳・会社員=仮名)
「金銭的な理由から実家に戻ると思います」
「実は家を出る予定ではなかったんです」
「家族とはよく話をしていたので、ひとり暮らしを始めてすぐは家の中がシーンとしていてなんだか寂しかったです」
「実家暮らしと比べると出費が大きく生活は正直厳しいです。コロナが落ち着いてきたら自宅に戻ることを考えています。ひとりで暮らしていける自信はついたし続けたいですが、お金の問題は大きいです。この生活を続けていたら貯金はできません。それに両親の身体のことも心配です」
「小学校3年生のとき引っ越し、自分の部屋ができたのはうれしかったですね。そこでずっとゲームをして過ごしていました」
「今は生活がきついので、将来のことは考えられません」
「実家に戻ったときは思い切って模様替えをしたいですね。机はもうボロボロなので処分しようと思います」
親と同居する選択肢『経済的にも……』
「独身男性を揶揄する言葉で、“いつまでも子どものままで親元から離れられない”“自立できないおじさん”という蔑称。実際は子ども部屋おばさんも同じ割合がいるのに、おじさんなら叩いてもいい、という風潮の表れとも言えます」
「実家で暮らす未婚を自立心がないとか、一方的に決めつけて、悪のように叩く人たちがいます。未婚の実家暮らしは何も特別なことではありません。もともとは結婚するまで親元に住むのは標準でした。それに経済的なことや介護で同居を避けられない人もいます」
「子ども部屋おじさん」を攻撃する人は、自分の安心のために攻撃できる対象としての「生贄」を常に探しているとも言えるのではないか。
「確かに生涯未婚率は増えていますが、みんなが親に依存しているわけではありません。経済的に自立している人はいますし、実家なら経済的にもプラスの面もあります。家にお金を入れても、ひとり暮らしするよりも割安です」
「“息子がまだまだ実家にいて”と心配する人や“結婚していないと一人前じゃない”という人もいますが、そんなことはありません。ひとり暮らしや結婚していても親から援助をしてもらっている人もいます。状態だけでその人を判断することはよくないです」
荒川和久(あらかわ・かずひさ)
ソロ社会及びソロ男女を研究する独身研究家。独身生活研究の第一人者として、「結婚滅亡」など著書も多く。メディアにも多数出演