ロックバンド・ギターウルフのステージに立った水前寺清子(本人のInstagramより)
「ロックで紅白を目指せ。」
「それぞれ根強い人気をほこる2組のライブ、しかもそれがロフトで見られるという、もともとそれだけで神イベントでした」
「ギターウルフのライブの盛り上がりが最高潮に達したところでサプライズでステージに登場したのが、ライダースに身を包んだ水前寺さん。その意外すぎる、しかも超大物の登場、そして名曲『三百六十五歩のマーチ』がギターウルフとのコラボで歌われる。これは会場にいた人は最高でしたでしょう」(同)
「近年は“エモ”という表現もありますが、ロックと演歌はエモーショナルな部分、抒情性の高さに共通します。広い意味でのシャウトともとらえると技術的な表現も近い。一部のロックステージの派手で豪華な演出や、様式美のような衣装などビジュアル面でも近い要素はあるといえるのではないでしょうか」
氷川きよしはヴィジュアル系
「衣装や演出、メイクなどはヴィジュアル系のロックアーティストといっても遜色ないですし、楽曲の『限界突破×サバイバー』は演歌のカテゴリーではありません。ほかにもクイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』の日本語カバーを歌ったりなど、ロックを取り入れるというか、正面から取り組んでいますね」
「デーモン閣下が、北島三郎さんの『与作』や谷村新司さんの『昴』などの名曲をカバーしています。原曲の魅力と閣下の歌唱力で見事にロックと演歌が融合している印象です」
「ロックファンも平均年齢が高齢化しています。ビートルズ世代はもう60歳以上。ロックに親しんだ世代がシニアに突入したことで、“大人の聴く音楽”である演歌とロックの融合は、この世代にとって耳なじみのいいものなのかもしれません。これからもこの現象は増えていきそうですね」
〈取材・文/渋谷恭太郎〉