《貴誌が度々取材をされた、漫画『ちびまる子ちゃん』の登場人物である『はまじ』のモデルの浜崎憲孝氏が、自宅アパートでお亡くなりになったようです》
《取材をしてほしいというわけでなく、純粋に記者さんに読んでほしいと思って送りました。まるちゃんファンの奥さんと一緒に読んでください。清水にいらしたときは、いろいろと案内します》
浜崎さんの携帯電話は繋がらず
「浜ちゃんは亡くなりました」
「あるときから浜ちゃんの姿をパッタリ見かけなくなったんです。ひとり暮らしだったから、何かあったのかと心配で玄関前から“浜ちゃ~ん、いるの~?”って声をかけてドアポストをのぞいたら異臭がしたの。それで警察に連絡して、警察官が中に入って確認すると亡くなっていたんです……。それが、3か月ほど前のことだったはずです」(隣の部屋に住む女性、以下同)
「浜ちゃんは、電話などの家電の調子が悪いときも頼んだらすぐに直してくれたし、“おばちゃんは人を信じすぎなんだよ。悪いヤツにだまされるから気をつけなきゃダメだぞ”って、いつも私のことを心配して気にかけてくれていました。優しい人だったんです。何で私より先にいなくなっちゃうのかな……。もっと浜ちゃんと話がしたかったよ」
浜崎さんと『花屋のとくちゃん』との最後の会話
「その日は、いつも通りよく話していましたし、ふたりでたわいない話をしただけで、特に変わった様子はありませんでした。はまじが亡くなったことを知ったのは6月です。驚きましたよ」
「ブログを通じて知り合ったという、はまじの知人が訪ねてきて教えてくれました。はまじからは、2月27日に“増税ばかりしやがって!”と、岸田文雄首相を批判するメッセージが送られてきて、その後に少しやりとりしたのが最後です。その後、音沙汰がなかったので3月9日にメッセージを送りましたが返事はないままでした。こちらから連絡しても返信がないことはあったので、まさか亡くなっているなんて想像もしていなくって。57歳で逝くなんて早いよな、早すぎるよ……」(同・杉浦さん)
担任は「さくらさんに続いて浜崎くんも…」
「教え子から聞いてショックでした。私よりもはるかに若いのに……さくらさんに続いて浜崎くんも亡くなってしまい、悲しいという言葉しかありません」
「当時の8ミリだと、2~3分程度しか記録できないんですが、その年度の最後に30分ほどの映像にまとめ、記念として生徒たちに見せていたんです。浜崎くんは、ほかの生徒を撮っているときに、自分が映りたいから必ず私の邪魔をしに来ていました。映像を見返すと、どこからともなく現れて、必ず浜崎くんが写っているんです。本当に『ちびまる子ちゃん』に出てくるような目立ちたがり屋のお調子者で……そしてクラスを笑いに包んでくれる子でした」(同・浜田さん)
漫才師を目指して上京した浜崎さん
「何度もためらった末にのりおさんには声を掛け、土下座して弟子入りをお願いしたけど断られてしまってさ。たけしさんは声すらかけられなかった」
「お調子者で、風来坊のように自由に生きていた人でしたけど、本当はすっごく真面目で純粋で……寂しがり屋でした」
「高校も中退してしまったけど、その後は通信制の高校に入り直して、高校の卒業資格を取得していたんです。“中卒ではなかなか仕事も見つからないから、しっかりしなくちゃ”と思っていたようでした。ウチの近くに来ると、わざわざ寄って“元気か!?”って声をかけてくれていました。大好きだったお酒を飲んで顔を真っ赤にしてね(笑)。“もう、はまじはバカなんだから!”って思うこともあったけど憎めない、みんなに愛されている人でした」(同・同級生の女性、以下同)
実在するキャラクターは同級生で5人だけ
「『ちびまる子ちゃん』で、実在する同姓同名のキャラクターは同級生で5人だけ。ただ、はまじだけは、アニメ化するときにさくらさんから許諾の連絡がなかったようで、後々さくらさんから謝罪があったと聞いています。お詫びとして、さくらさんから色紙が届いたそうですが、はまじは“オレが持っていても意味がないから”と『ちびまる子ちゃんランド』に寄付していました。さくらさんとの思い出を、ファンのみんなに届けたいと思ったんでしょうね。はまじの遺骨は弟さんが、静岡市内の墓地に埋葬されたと人づてに聞きました」
「はまじ、来るのが早いよぉ」
「なんだよ、さくらこそ早すぎたじゃねぇか」
『ちびまる子ちゃん』の舞台であった3年4組を飛び出したふたりの物語は、天国へと続く――。