(左から)瀬戸朝香、宮沢りえ、工藤静香、木村佳乃
V6が今年の11月1日に解散する。あわせて、森田剛(42)がジャニーズ事務所を退社することも発表された。
事務所によれば、
「これからの人生、ジャニーズ事務所を離れた環境で役者としてチャレンジしたい」
と、森田が要望。これを「きっかけ」に6人で話し合い、解散を決めたという。
ただ、最初にスクープした『文春オンライン』の記事には、こんな一文が。
「森田が独立を決意した背景には、2018年3月に結婚した女優の宮沢りえの後押しもあったという」
実際、今回のことでりえの影響を指摘する人は少なくない。また「V6解散で鮮明に…岡田准一のジャニーズ退所を踏み止まらせた妻・宮崎あおいの賢さ」(日刊ゲンダイDIGITAL)という記事も出た。そこには、SMAPが解散した際、木村拓哉の退所に反対し続けたという工藤静香から、宮崎が学んだものがあるのではと締めくくられていた。
とまあ、何かと注目される「ジャニーズ妻」たち。たしかに、ファンにとっては悩ましい存在でもあるだろう。もっとも、井ノ原快彦の妻・瀬戸朝香や長野博の妻・白石美帆についてはある意味、無風状態。やはり、目立つかどうかが大きいのだ。
たとえば、前出の静香の場合、人気絶頂の木村とできちゃった婚。ヤンキーっぽいイメージもあいまってか、木村がそれ以前に長くつきあっていた元モデルの「カオリン」と比べてもファンに歓迎はされなかった。さらに、解散騒動では静香の介入がグループの分裂を招いたという説まで出て、木村以外のメンバーのファンからも嫌われてしまった印象だ。
ちなみに、ザ・ビートルズでも似たことが起きた。ジョン・レノンが妻のオノ・ヨーコに入れ込みすぎたことで、解散につながったという見方から、妻が敵視されることになったのである。
話をジャニーズに戻すと、嵐においても、二宮和也の元女子アナ妻が交際中、におわせ行為などで叩かれた。ただ、先日、第1子が誕生というビッグニュースが報じられたわりに、かつてほどのバッシングはない。一般人として結婚したことを強調したことで、かつての嫌われ感がうすまったのだろう。
ここからわかるのは、出る杭ならぬ、出る妻は打たれる、そして、出ない妻は打たれにくいということだ。
そんななか、メディアに出まくっているのに意外と安泰に見えるのが、木村佳乃である。この夫婦については、東山紀之ともども、お互いが好きな仕事をしているだけというイメージもあるが、佳乃が主婦向け雑誌にちょくちょく登場できるのはやはり「ジャニーズ妻」というブランドのおかげかもしれない。
それでも、あまり叩かれないのはヒガシのファンが森光子や牧瀬里穂、内山理名などとの交際報道で免疫ができていたため、さらにいえば、ヒガシにアイドルとしての現役感がうすれたからとも考えられる。
城島茂の妻も、元グラビアアイドルの菊池梨沙で、25歳も年下ということから結婚当時ちょっと逆風が吹いた。が、今はそうでもない。アイドルっぽくない城島のオヤジキャラが、プラスに働いているのだろう。
その点、生田斗真と結婚した清野菜名のケースは、夫婦そろって異性のファンも多い。何かあれば叩かれそうな気もするが、生田がソロの俳優とあって、グループの動向などには影響しないところは利点だ。
それにしても「ジャニーズ妻」のハードルは高い。なにせ、結婚までいくのもひと苦労だからだ。過去を振り返ってみると、近藤真彦と交際していた中森明菜、田原俊彦と浮名を流した中山美穂、また長瀬智也の元カノ・浜崎あゆみ、国分太一の元カノ・aiko、松本潤との結婚説が絶えない井上真央……。交際相手がジャニーズだというだけでファンから反感を買ったこともあった。結局、彼女たちは「ジャニーズ妻」にはならず、別の人生を歩む決断をしている。別の相手を見つけてうまくいったように見えるのは、菅野美穂くらいだろうか。
そして、メンバーの結婚はグループの命運をも左右する。3月14日放送の『アッコにおまかせ!』(TBS系)では、V6の解散をめぐって『東京中日スポーツ』記者によるこんなコメントが紹介された。
「メンバー6人中4人が女優と結婚し家庭を持ったことは、ファンが疑似恋愛をする対象でもあるアイドルとしての存在意義をそれぞれが見つめ直すきっかけにもなっただろう」
つまりはそれほど、ジャニーズアイドルには「疑似恋愛」の対象という存在としての重さがあるのだ。つきあうにせよ、結婚するにせよ、多くの女性たちの嫉妬と戦わなくてはならず、それをはねのけるだけの強さや覚悟が必要だ。
思えば、宮沢も静香も芸能人として女性として、さまざまな修羅場をくぐりぬけてきた。そういう人でないと、自らもバリバリと活躍する「ジャニーズ妻」にはなれないのかもしれない。
PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。
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