左から川島明、谷原章介、香川照之、安住紳一郎
「スマートな司会ぶりは想像どおりでしたが、意外とご自身のことを発言しますよね。お子さんを持つ父親としての言葉には説得力があるし、プライベートなことも話してくれるのがいい。あとはエンタメの話題に触れるときに、俳優である谷原さんならではの経験、人脈を活かしたコメントがあるともっとよくなりますね」(ペリーさん)
「お子さんが6人もいらっしゃいますから、パパとしての具体的な奮闘エピソードなどもぜひ聞いてみたいと思いますね。そういったコーナーができるといいなと思います」
主張しすぎて裏目に出る谷原
「『王様のブランチ』や『アタック25』などでも司会を務めた経験があって、自分の思ったことを口にすることに慣れています。ただ、それが裏目に出て失言のように取り上げられ、注目を集めてしまうこともしばしば」(川内さん)
「MCが偏ったことを言うのは危険だし、言うならクレームなどを受け止める覚悟が必要。『めざまし8』には橋下徹さんや古市憲寿さんなどクセのあるコメンテーターが多いので、あまり主張が強くないほうが合うような気がします」(倉田さん)
「“しゃべりのプロ”だと思わされますね。決して安住さん自身がすごく面白いことを言うわけではないんだけど、ちょっとした言い回しなどにとても好感が持てて、耳ざわりがいいです」(倉田さん)
「オリジナルキャラクターの『シマエナガちゃん』が出てきますが、かわいらしいキャラクターって、安住さんは苦手だと思うんです(笑)。それを朝から彼にぶつけて、困ったりする様子が見られるのが面白いです」(ペリーさん)
「安定感は抜群ですが、安住さんの“朝ならではのよさ”がいまひとつ見えてこないなと感じます。期待が高かったぶん、まだ少し消化不良な部分がありますね。朝の番組では短い時間で視聴者を惹きつける必要があります。もっと自分らしさを出していって“朝の安住さん”の魅力を見せてほしいなと思います」
「私見を話すコーナーができたら、より面白くなるんじゃないでしょうか。安住さんがどんなことに着目し、何を考えているのか知りたい人は多いはず。“あくまで私個人の考えですけど……”なんて前置きをしながら発信できるコーナーがあればなと」
毎日は見たくない“香川劇場”
「印象に残っているのが、衆議院選挙前の放送。若者世代に向けて“選挙に行きましょう!”と投票の大切さを朗々と語ったんです。まるでドラマや映画の長ゼリフのシーンのようで、番組が伝えたいことを自分流に言い切るのはさすが。まさに“香川劇場”でした」(ペリーさん)
「面白いけどキャラクターがとても強いから、毎朝見たい顔ではないかも(笑)。1日だけポイントになる日があるのは、いいアクセントになりますよね」(倉田さん)
「初めのころは緊張していて“あの香川さんでも”と思いました。役者の仕事はセリフを覚えたり事前に準備ができるけど、ニュース番組は直前になって進行が変わったりするので準備のとおりにいきませんからね。でも、役者・香川照之ではない素の姿が、見ていてとても楽しいです。最近では強烈な演技が“もはや顔芸”とも言われていましたが、演技ではない素の表情、いわば“素の顔芸”が見られるのは番組の大きな魅力です」(川内さん)
「とても器用な人で、MCに選ばれたのも納得。ほかの番組とは違う路線でやっているのも、私は評価したいなと思います。ただ、芸人さんが多い番組を朝から見たいという人はまだ多くないから、その部分が視聴率の苦戦につながっているのかなと」(倉田さん)
「放送が始まったときはちょうどコロナの感染拡大が懸念されていて“日本でいちばん明るい朝番組”と言われてもピンとこなかった。コロナ禍がひと区切りついて視聴者側に余裕ができれば、優秀な司会ぶりが目に留まるのでは」
「すでに関係性のできている芸人の方々とのやりとりは、場合によっては“内輪ウケ”のように見えてしまうことも。そこからどう違う側面や番組の目玉となる部分を作っていくか、というのは気になるところです。“朝の生放送”である価値を出せるようなコーナーができると、よりパワーアップすると思います」
NHKから“鞍替え”した大越氏
「番組側に迷いがあるのかなという感じ。試行錯誤の結果に起用されたんでしょうけど、どっしりと構えられる“重し”みたいな存在がほしかったのかと思います。ただ、それにしては意見の鋭さは感じられないし、どんな人なのか色が見えない」(倉田さん)
「共演の小木逸平アナとの役割の差別化がうまくできず、キャラクターが似てしまっています。メインキャスターとして突飛なことを言うわけにもいかないし、今はまだ番組内での立ち位置を探っているのではないかと。NHK時代は意見をはっきり言っていたし、もっと自分の色を出していいんじゃないかなと思います」(ペリーさん)
「知識の深さや人柄のよさは文句なしですが、MCとしての“華”に関しては、タレントの方たちにはどうしても負けてしまう。民放の番組でメインキャスターを務めるには、視聴者の目を惹きつける魅力が必要になってきますから、もう少し“民放仕様”にシフトチェンジしてみては」
有働由美子からの引き継ぎ
「意外と庶民的なところがあって、視聴者と同じ目線に立てるのは強みです。出産や子育ても経験されていますから、博多華丸さん・大吉さんとは違った立場で話ができるのもいい点。『あさイチ』は有働由美子さんが“私も更年期です”と告白したくらい風通しのいい番組なので、その自然さを引き継いでいってほしいですね」(ペリーさん)
「NHKのアナウンサーというと堅いイメージがありますが“めんどくさがり屋”という愛らしい一面も見せていて、ギャップのある言動から“となりのお姉さん”みたいな人柄のよさがうかがえますね」
「MCの仕事は、女性の枠が少なくて難しいんです。思い返すと、有働由美子さんはかなり存在感がありました。番組の顔を務める人は、たとえ大したことを言わなかったとしても存在感だけは必要。もうちょっと前に出てほしいなと思いますね。NHKの朝番組ですから“自分の庭で好きなことやって何が悪い!”くらいの感じでどんどん主張していってほしいです」