日本臓器製薬「コフト顆粒」CMより
「風邪に効くゥ!!」でおなじみの日本臓器製薬『コフト顆粒』のCM。誰もが一度は目にしたことがあるのではないだろうか。
キムタクのドラマにも出演していた!
「弊社の CM に起用させていただいているタレントさんは、オーストラリア出身のウォルター アントニー(Walter Antony)さんです。木村拓哉さん主演のドラマ 『HERO』にも出演されていました。弊社以外にも『日清焼きそば UFO』 や『カビキラー』といった CM に起用されたご経歴をお持ちの方です。弊社のCMには2012年よりご出演いただいています」
* * *
「海外のタレントさんはジェスチャーなどを織り交ぜて痛みや症状改善シーンをより分かりやすく自然に表現されるからです。その中でも、ドラマやバラエティー番組でご活躍されているアントニーさんにご出演いただくことで、視聴者様の興味や関心を惹きつける狙いがありました」(同・広報担当者)
「社内においても、一時は“あのタレントさんはどなた?”という話題はありました。しかし、その意図が明確であったことや、インパクトがあるCMだったため、今ではみんな納得して誇らしくCMを見ています」
「CMの内容は放映当初より変更しておりません。アントニーさんには『コフト顆粒』のほか、『ラックル速溶錠』『漢方ラックル顆粒』の CM にも出演していただいています。おそらく他の製品の CM をご覧になられた視聴者様が、変わったと思われたのではないかと思います」(以下、同・広報担当者)
「“風邪に効く”のシーンを撮影したときのことです。アントニーさんがドアを開けて“風邪に効く”と言うのと同時に、サッカーボールを蹴るジェスチャーをされました。元気になったことをイメージされているのかと思ったのですが、やはり違和感があるので、アントニーさんにジェスチャーの意味を尋ねてみたんです。すると、アントニーさんは“効く”を“Kick”だと思われ、風邪を蹴り飛ばしておられたとのことでした(笑)」
「BGMなし」の理由
「そうおっしゃっていただけて光栄です。15 秒という限られた時間の中で、視聴者のみなさまにお伝えしたい情報に限定して表現する、という方針で CM を制作しております。
どういった症状に効くか、製品名は何か。どのような効果が得られるかということについて、音声と文字、イメージ画像で表現しますので、BGMはあえて使用しないことにしているんです」
「CM は構想の段階から、撮影・ナレーション収録・編集にわたるすべての段階で、視聴者のみなさま、そして弊社の製品を使用してくださるお客様の目線に立って、伝わりやすさやインパクトを突き詰めて、何度も調整を行いながら制作しています。
「風邪に効くゥ!!!」のシンプルかつユニークなCM。たった15秒の映像だが、そこには製薬会社としての思いが秘められていた。流行りや目立つことにとらわれない、今後も“逆に目立つCM”を期待したい。