白骨遺体が発見された現場。人目につきにくい場所だった《千葉・四街道市》
「解体作業中に人骨が出てきた」
「遺体は頭蓋骨から足の先まで全身の骨がきれいに残り、肉や内臓はなかった。まるで理科室の人骨模型のようで相当古い遺体の可能性がある。衣服を身につけていたが、長年の土埃などにまみれて劣化が激しく、服の色も紳士用か婦人用かも判別できなかった」(捜査関係者)
現場は約20年放置された宿泊施設で
警察が立ち入りを禁じた黄色の規制テープが張られ、取り外されたフェンスの隙間からプレハブの建物が何棟も並んでいるのが見えた。
「もともとは“飯場(はんば)”でしたが、 いつの間にか閉鎖されて20年くらいずっと放置されていたんです。最初はフェンスがきれいに整備されていたのに、それが1枚、2枚とはずされ、近くを散歩で通ったときには何者かが建物内に忍び込んでいるような気配を感じたことがありました。最近、敷地内に生い茂っていた樹木が伐採されたり廃屋の解体作業が始まったところだったんです」
帰宅すると見知らぬ男が
「廃屋は長く使われていなかった。ホームレスなどが入り込んで、病気などで自然死した可能性は否定できない」
「竹やぶの中で人が暮らしていた形跡を見たこともあるし、あの廃屋に人が住んでいてもおかしくないよ。食べ物だって多少知識があれば山菜をとるだろうし。野生のハクビシンを捕まえれば肉も食えるしね」(近くの家庭菜園に通う千葉市の60代男性)
「もう20年ぐらい前の冬の夜に遺体発見現場近くで中年男性のホームレスを見かけたことがあるんです。このへんでは見かけない顔で、汚れた衣服を着てウロウロしていて、様子を見ていたら道の端っこで横になっていました。警察に通報したらバイクに乗った警察官が来てくれましたが、もういなくなっていたみたいです」
「このあたりではほかにも、自転車に乗ったホームレスもいましたし、30年ほど前には土手で寝ている太ったホームレスもいました」(同男性)
居心地のいい廃屋を見つけて住み着いたか
「解体作業によってほかのゴミなども遺体周辺に混じっていたため、関係性を判断するのが難しい。ひとつひとつ洗い出しているが、現時点でわかっているのは骨の大きさから成人とみられることぐらいだ」(前出の捜査関係者)
「たしかに都会のホームレスとは異なって、食べ物には困るかもしれませんが、他人に干渉されたくないとか、のんびりしたい人には魅力的な土地柄でしょう。居心地のいい廃屋を見つけてそんな生活を続け、人知れず亡くなっていたのだとしたら、あまりに長いあいだ見つけてもらえないため魂が導いて発見に至ったのかもしれませんね」