妻夫木聡 撮影/廣瀬靖士
「ちょっとびっくりしましたね。そんなに時がたっていたとは思わなかったので」
「“映画の人”って思われてるのかな」
「そりゃ、現場で会う人会う人、“子どものころ『オレンジデイズ』見てました”って言われるわけですよね。うれしいような、自分がおっさんになったんだなという気分になるような(笑)」
「なんか、“映画の人”って思われてるのかな? と思ったりもするんですけど、そんなことはなくて。ドラマでも映画でも舞台でも、演じるということに変わりはないので」
「僕は小・中学生のとき、特にドラマをいっぱい見ていたんですけど、当時はあってもビデオは一家に1台。今みたいに二重録りもできないし、親が使っていることも多くて。
「ひとつ謎が解けたと思ったら、また何重もの謎が新たにやってくる。原作を読んでいる僕自身でさえも、結末を疑ってしまうくらい(笑)。たぶんドキドキしながら次週を待ち遠しく感じてもらえるドラマになっていると思います」
パブリックイメージを変えた30代
「今、気づいた! この『危険なビーナス』が30代最後の作品になるんですね」
「オファーいただいたもので、自分がすごく惹かれるものに対しては積極的に取り組もうという意識はありました。でも『悪人』がきっかけで、僕に持たれていたパブリックイメージのようなものは、わりと変わったんじゃないかと思います。それによって、オファーをしてもらえる作品にも変化が生じてきたのかなと思います」
「自分自身のパブリックイメージをそんなに深く考えたことはなかったけど、常に自分は自分でいたい。そして、いま持っている感情をそのまま出したい、という思いがあって。だから“妻夫木聡が、妻夫木聡を演じる”という瞬間があるのが、すごく気持ち悪いんです。だから、そういうのはあんまり好きじゃなかったなぁ」
「“自分はこれしかやらない”っていうスタンスではなく、幅広くありたい。ミステリーもシリアスもラブストーリーもやりたいし、ドラマも映画も舞台もやりたい。それを“どっちつかずだね”って言われたら、おしまいなんですけど(笑)。
『半沢直樹』からバトンタッチ!
「ちょっとラッキーかなと思っているんです。昔『天地人』('09年)っていう大河ドラマをやったときも、『篤姫』の後で、いい視聴率を引き継いでやれて“よしよし”なんて思っていたので(笑)。今回も『半沢直樹』からのいい流れを引き継ぎつつ、『半沢直樹』とはまったく違うジャンルのミステリーを視聴者の方には新たに楽しんでもらえたら、と思っています」
10/11(日)スタート
『危険なビーナス』に主演
夜9時〜(TBS系)
スタイリング/TAKAFUMI KAWASAKI(MILD)