ついに2019年4月末で平成の時代が終わる。平成の世を彩り、輝きを放ったスターはそのとき何を思い、感じていたのか? 当時と今、そしてこれからについてインタビューで迫っていくこの連載。8回目は演歌歌手の氷川きよしさん(41)です。
Vol.8 氷川きよし
氷川きよし 撮影/廣瀬靖士
平成18年『一剣』でレコード大賞
「ファンのみなさんが“年末にいい結果になるように”と応援してくださり、スタッフの方も頑張ってくださって」
「夢のようなすごい結果となりました。うれしさ以上に、“これから、どうしよう”という気持ちのほうが大きかったです。
平成20年『NHK紅白歌合戦』で大トリ
「すごいプレッシャーでしたね。本番1週間くらい前に、スポーツ紙に“氷川きよし、大トリ”って書かれているのを、事務所のスタッフから手渡されて。“ええっ!”って仰天しましたね」
「責任感と緊張感を持たないと。風邪をひいたりして、穴なんてあけたら大変なことになるから。ずーっと寝られなかったですね。どれだけのパフォーマンスが自分にできるのか、と考えるとドキドキして……」
「数多くいらっしゃるスターの方々が歌ったあとに、自分が歌って、そこを(みなさんに)囲んでいただくことは、すごいプレッシャーでした。でも、本当にいい経験をさせていただきました」
平成の始まりは美空ひばりさん
「平成元年に美空ひばりさんが亡くなられて、大々的に報じられていたのをよく覚えています。ひばりさん、福岡の病院に入院されていたんですよね。当時は、まだ演歌のことがわからなかったんですが、“すごい方が福岡に来られていて、そして、お亡くなりになったんだな”と、子ども心に感じたのをすごくよく覚えています」
「どんな子だったか? 今となっては笑い話ですけど、ものすご〜く内気で。中学までは友達がほとんどいなかったんです。でも高校に入って、本格的に歌をやるようになってから友達ができたんです。
運命の出会いを果たした平成5年
「高校の芸能講座で、歌の先生……おじいちゃん先生なんですけど、“演歌を歌ってくれんかね?”って言われて。“演歌、わからないんですけど”って断ったら、とても悲しそうな顔をされて。乗り気じゃなかったけど、気の毒に思えて“勉強して、覚えてみます”と言ったのが始まりだったんですね」
やっぱり時代と自分の人生を 歌っていきたい
「平成という時代に育ち、平成の中で歌と出会って、演歌と出会って。そして、自分の人生の道を拓いてくれたのが、やっぱり平成だと思っています」
「まだなじみがありませんけど、平成を迎えたときと同じように、きっとこの元号に慣れるんでしょうね」
「これからやってくる令和の時代に、どんな自分を見つけられるのか楽しみです。やっぱり時代と自分の人生を歌っていきたい。喜び、悲しみ、苦しいこと、悩んだこと……自分が歩んできた人生の経験も全部、歌に変換していきたい。
『氷川きよし特別公演』
【場所】新歌舞伎座
【期間】5月18日(土)〜27日(月)
【演目】第一部『母をたずねて珍道中 お役者恋之介旅日記』
【料金】S席1万6000円、A席1万円、B席8000円