香川照之、堺雅人、市川猿之助
1:堺雅人に称賛の声! キャスター待望論も
「何人かの報道番組のプロデューサーが堺さんをニュースキャスターに起用できないかと企画を練っているそうです」(テレビ局関係者)
「ドラマの影響で不正を許さない正義感あふれるイメージがつきましたし、あのハキハキとした話し方でニュースを語ってくれたら視聴者は大喜びでしょう。見る側の支持は間違いなしです。どうにか実現できないか、みなさんが試行錯誤するのもわかりますよ」(同・テレビ局関係者)
《半沢の言う「やられたら倍返し」というのはタフでなければ言えない言葉で、ぼくにはとても無理ですね(笑)》
2:違和感なし!? 今度は歌舞伎界に逆輸入
「迫力ある表情や独特なセリフ回し、オーバーな演技などがたびたび話題になっていますが、これらは歌舞伎の伝統に通じるものがあります。本業が歌舞伎役者であるキャストの強みがドラマに活かされていますね。一部で “スーツを着た歌舞伎”と言われているのも納得です」
「歌舞伎にはチャップリンの『街の灯』を歌舞伎に置き換えた『蝙蝠(こうもり)の安さん』といった作品や、『ワンピース』や『風の谷のナウシカ』といった漫画やアニメをベースにした演目もあります。ここまで国民的な人気を得て、歌舞伎と融和性の高いドラマなのですから、将来的に『半沢直樹』を歌舞伎の演目として舞台化しても不思議じゃありませんね」(喜熨斗氏)
「ドラマにも出演した市川猿之助さんは、代々エンターテイメント要素の強い“猿之助歌舞伎”と言われる芸風の家柄。ワンピース歌舞伎も彼が中心となって企画し、主人公“ルフィ”も演じました。彼なら、ドラマの世界観をそのまま歌舞伎で演じられるかもしれませんね」(喜熨斗氏)
3:新章にはモデルあり、実際の航空会社は?
「モデルになっているのはJALこと『日本航空』です。’09年に経営危機に陥ったときの状況が、ストーリーのもとになっています」(航空アナリストの杉浦一機氏)
「国土交通大臣の白井亜希子役は江口のりこさん。毅然とした振る舞いと印象的な白いスーツ姿は蓮舫さんを彷彿させますが、当時、JAL再建に向けて動いていた大臣は前原誠司さんです。彼はドラマ同様に『JAL再生タスクフォース』を’09年9月に発足させて銀行側に債権放棄を要請しました」(杉浦氏、以下同)
「前原さんにはJAL再建の明確なビジョンがなく、話をまとめることができないままタスクフォースは数か月で解散。銀行への債権放棄は果たせませんでした。結局、JALは’10年1月に倒産。半沢が勤務する『東京中央銀行』のモデルとされる『三菱東京UFJ銀行』は、514億円の債権が未回収となりました」
「半沢は、帝国航空の負債は、多くの赤字路線や企業年金が原因だと指摘していましたね。しかし、JALの場合は放漫経営も原因でした。“半官半民”というポジションにあぐらをかき、何かあれば国が助けてくれるという甘えがあったんです」
「JALは巨大な企業ですから、銀行は信頼して融資を繰り返していました。回収できるだけの担保を設けていないということは、厳しい審査が行われなかったということです」
「迷走する前原大臣に代わって、首相官邸側は京セラやKDDIを創業した実業家の稲盛和夫氏を再生チームのトップに起用。社員の意識改革を徹底させて3年で見事V字回復を果たしました」
4:“見逃しフル配信”されない意外な理由
「『半沢直樹』は現状、ネットではダイジェストと次回予告しか配信されていないんですよ。“テレビ離れ”と言われる中、ドラマが注目されたことでせっかく新しい視聴者を取り入れるチャンスなのですが……」(TBS関係者)
「主演の堺さんが所属する事務所『田辺エージェンシー』は保守的なところがあって、上層部が、“テレビでしか見られないからこそ価値がある”という考えのため『半沢直樹』のフル配信を許していなんです」(同・TBS関係者)
「番組制作過程は従来お答えしていません」
「現状ですと1回見逃してしまうと再放送を待つか、DVDになるのを待つしか視聴する方法はありませんね」(前出・TBS関係者)
5:逆境と熱意が生んだ名ゼリフの数々
「原作の小説には香川照之さんが演じる大和田常務は登場しませんが、ドラマではあの存在感の強さもあって続投。原作を忠実に再現するのではなく、作品をとことん面白くしようとする制作側のサービス精神が感じられますね」(テレビ解説者の木村隆志氏)
「印象的なセリフの多くは、キャストのアドリブから生まれています。いろいろな演技プランのアイデアを持ち寄って監督やプロデューサーと意見を交わし合っているからこそ、セリフが生きた言葉になっているんでしょうね」(木村氏、以下同)
「緊急事態宣言が出されたことで、3話の途中でドラマの収録は中断。再開まで期間が空いてしまいましたが、それでもキャストたちの作品に対する気持ちが落ちることはなかったようです」
「第4話で半沢が“自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の勝ち組というんじゃないかと俺は思う”というセリフがありました。セントラル証券の社員に向けた言葉ですが、あれは頑張っている人たちへの応援と同時に、熱意を持ってドラマ制作に取り組んでいるキャストとスタッフ全員の気持ちも込められていますね。だからこそ、ここまで多くの人の心に響くのではないでしょうか」
半沢直樹の主な名言(2020年版より)
・第1話・
「不平不満を愚痴ってそれで終わりにするのか。なにをしても無駄だと全部を諦めるのか……それを考えるんだ」
・第3話・
「大事なのは感謝と恩返しだ。その2つを忘れた未来は、ただのひとりよがりの絵空事だ。これまでの出会いと出来事に感謝をし、その恩返しのつもりで仕事をする。そうすれば、必ず明るい未来が開けるはずだ」
・第4話・
「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は、内向きで卑屈で醜く歪んでいく」
「大企業にいるからいい仕事ができるわけじゃない。どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを、本当の勝ち組というんじゃないかと俺は思う」