寺田理恵子 撮影/近藤陽介
寺田理恵子(てらだ・りえこ)
夫と死別、仕事を探すも難航
「高齢者のお仲間に入れていただくと、60歳は若いと言われます(笑)。60代という新しいスタートラインに立てて、これからが楽しみです」
「その後フリーとなり仕事を続けるも、レギュラー番組を持っていると、『子どもの入学式だから休みます』というわけにはいきません。子どもの成長を見届けていきたいという思いがあり、何度か、レギュラー番組を自ら降板しました」
「お風呂場で倒れてそのまま亡くなったので、心の準備もなく、しばらくはうつのような状態でした。でも、収入が途絶えて、子どもを養っていかないといけないので、仕事を探したんです。
「文字を読むというのは、実はとても奥が深いんです。そのときの自分の気持ちが声に出てしまうので、同じ文章でも人によって読み方が異なります。私は毎日、新聞を声に出して読んでいるのですが、ぜひみなさんもやってみてください。声を出すと脳を刺激して認知症予防にもなりますし、口を開けることで口角が上がって、お顔のたるみ防止にもつながります。腹式呼吸で声を出すので、姿勢もよくなり、お腹もへっこみますよ。
「私の母は認知症を10年患って亡くなりました。あのとき、もっと認知症について学んでおけばよかったと思うことが多く、これからも朗読の力で認知症の方に寄り添っていければと考えています」
(取材・文/紀和静)