『仮面ライダー電王』出演時は、可愛らしいルックスで注目を集めた
“さる”と呼ばれた小学生時代、子役の経験も
「小学校時代は女子から“さる”と呼ばれるほど、活発に遊びまわる少年だったそうです。実は子役をやっていた時期があったのですが、当時は人前で表現するのが苦手だったようで、3~4年ほどで辞めちゃったみたいですね」(スポーツ紙記者)
「学校以外の仲間とダンスに熱中し、ダンスイベントに出演することもありましたね。でも学校では決して目立った存在ではなく、ドラマ出演後に芸能界に入っていたことを知ったクラスメートたちは、みんな驚いていたそうです」(佐藤の知人)
「放送前から“次のライダーに決まった新人は、演技力がかなり高い子らしい”と、業界では噂になっていました」(テレビ朝日関係者)
『電王』は怪人が人間に憑依する……という設定で、佐藤が演じた主人公は“ライダー史上、最弱”と呼ばれる気弱なキャラを含め、5つの人格を演じ分けるという難しい役どころ。そのため高い演技力が求められた。しかし、東映プロデューサーの白倉伸一郎氏もインタビューで“伝説のオーディション”と語るほど、当時から飛びぬけた存在だったようだ。
《オーディションの台本では、電王はイマジン(怪人)に憑依された多重人格者で、途中で人格が変わるという内容でした。それを説明なくみなさんに演技してもらうんですが、台本の意図を正しく理解してふくらませて演じたのが佐藤健君だけでした》
「演じていたキャラクターは声も高く弱々しかったけど、素顔の彼は声も低く、当時から凛としていて大人の雰囲気がありましたね」(前出・テレビ朝日関係者)
ファンを大切にする精神は『電王』のころから
『恋つづ』ではサービス精神のよさが証明されたが、『仮面ライダー』への出演が大きく影響しているのでは? とテレビ誌編集者は分析する。
「特撮作品は、子ども向けイベントの出演もセットで行うこともあり、ファン向けイベントの大切さは実感していたようです。当時からネット上でも積極的に発信をしていて、『電王』放送時から1年半ほどはブログを毎日更新していました。ファンの支えがあるからこそ自分があるというのをすごくわかっていて、演技以外でも魅力を発信できることはするべきという意識は当時から高かったですね。その精神が公式LINEやYouTube、SUGARなどのファンサービスにつながっていると思います」
「“人斬り以蔵”という異名があるだけに、これまでの作品では怖さや狂気さが強調されがちでしたが、実は司馬遼太郎さんの描く世界観にいちばん近い演技だと原作ファンから高く支持されたのは佐藤さんが演じた以蔵なんです。どこか儚げで、切なさを感じさせる演技はお見事でした」
『龍馬伝』の名演技が引き寄せた『るろうに剣心』主演
「映画『億男』の借金返済のために二重生活を送る図書館の司書役など、実はニュートラルな演技がとてもうまい。全体を見て引いて演じることは、簡単そうでなかなかできることではありません」
「『龍馬伝』で演出を担当していた大友氏が佐藤さんの演技を見て“心優しい青年が大切な人を守るために人斬りに変わる……”という二面性を持つ主人公の剣心を演じられるのは彼しかいないと熱烈オファーをして実現したんです」(映画配給会社関係者)
「打ち合わせなどでも、あの大きな瞳で見つめながらしゃべるので、若い女性スタッフなんかは即ヤラれちゃいます(笑)。それはひとつひとつの仕事に対して自分が求められていることを理解して完璧に応えたいから。また人への関心が高く、スタッフへの逆インタビューみたいになることも。そんな観察力などが演技にも反映されているのでは」(ドラマ制作スタッフ)
『るろうに剣心』のヒットで人気クリエイターたちからのオファーが続き“イケメン若手俳優”から“実力派俳優”へと成長していくことになる(次号・後編へ続く)。