若者に大人気のTikTok
「チャレンジ動画」で死亡事故が発生
「チャレンジ動画」とは、TikTok上のお題のようなもので、挑戦者はお題に沿った動画を撮影して投稿すれば気軽に参加することができる。
「チャレンジ企画には、安心して楽しめるものもたくさんあります。しかし、ひどい使い方をすれば人の命も奪ってしまう。
いじめ動画がネット上で拡散
「いじめの問題もあります。動画のコメント欄にブスだとか誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれることも。いじめている動画が投稿され、それが複製されてネット上で拡散した事例もあります」
「女性の動画を勝手にキャプチャー(切り取り)をして、まとめサイトで“ブスまとめ”というタイトルで晒されるといった被害が発生しています。
性犯罪に巻き込まれるケースも
「脅されて追い詰められて、会ってしまう子もいる。この事件では男が“会ってくれないと家の前で死ぬ”と言っていたようです」
「TikTokは動画の中に個人情報が含まれやすい。背景の公園やコンビニ、電柱などから住んでいる地域を割り出されてしまいます。
制服姿で投稿すれば、学校名もわかる。悪い人が見ていて会いに来たよと脅されることもあるので、注意が必要です」
「子どもはSNSを始めたてのころ、DMに返事をしなければと思ってしまいがち。怪しいアカウントや人物を見抜けるように、リテラシーを磨きましょう」
人気ティックトッカーはいじめを捏造され、炎上
「私もDMで“学校ここでしょ”“ここに住んでるでしょ”といったメッセージを受け取ったことがあります。今は個人情報を特定されないように、自宅の中で撮影をしたりなど気をつけるようにしています」
「私があたかも人をいじめているかのようなSNSの投稿を捏造(ねつぞう)されて炎上したことがあります。そのときは家族に相談しました」
「子どもは怒られたり、自分のやっていることを否定されたりするのを怖がるものです。
TikTokも、親が普段から一緒に楽しむことができたら、何かあったときに相談してみようかという気になると思います」(渡辺さん)
「親がトラブルにどう気づいてあげるか。普段から、“何かあったらパパには言わないから、ママにだけ話して”といったふうに、家族に1人だけでも相談できるようにしてあげることが大切です」
親は安全な環境を整えて、見守りを
「TikTokにはペアレンタルコントロールという機能があり、子どものアカウントと親のアカウントをひもづけて管理することができます。
「子どもは賢いので、おじいちゃん、おばあちゃんのところに行って制限のないスマホを使わせてくれるよう頼んだりします。各携帯電話会社に“あんしんフィルター”というサービスがあり、問い合わせれば危険な機能を制限できます。
“大事なものだから、ちゃんと設定してからね”と言って、安全な環境を整えてから貸すようにしましょう」
「最後の砦(とりで)は保護者。手間を惜しまずに設定してほしい。犯罪に巻き込まれてからでは、悔やんでも悔やみきれません」
※トラブルに巻き込まれたときの問い合わせ先
■インターネット違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)
自分の写真を無断で転載されて削除したいとき、個人情報を無断で公開されたとき、誹謗中傷を書き込まれたときなどに相談ができる。(https://ihaho.jp/)
■各地域の警察本部WEBサイト。ネットのトラブルに関する相談ができる。