『半沢直樹』撮影現場での堺雅人('20年4月)
半沢直樹の年収は?
「総支給額で年間1000万~1200万円くらい。手取りで700万、よくて800万円くらいと思っています」
「車も持っていないようですし、社宅ですからローンはなさそうです。子どももいませんし、派手な生活をしているようにも見えません。貯めているんじゃないですか?」
「もし左遷されたら今より給与は下がるでしょうね。ただ、大和田常務(香川照之)や伊佐山部長(市川猿之助)など上司にあれだけ盾突いても、役職が下がらないのは成果を出しているからでしょう。ただし現実ではあの逆らい方だと成果を出す前に左遷されると思います」
片道切符の出向だと減額に……
「『東京セントラル証券』への出向で給料が下がることは基本的にはないです。グループ内の証券会社なので左遷とは言えません」
「給与は銀行と受け入れ企業側との折半負担となるケースもあるので、その場合はいくらかの減額は発生しえます」
「わびろ、わびろ、わびろ」
智美の店での飲み代は「自腹!」
「ドラマのような飲み会ですと、経費では絶対に落ちません(笑)」
「銀行マンの飲み会はもちろん、自腹。一般的な値段の居酒屋やスナックに行きます。あの店は高そうですよね。毎日通ったら破綻しますよ」
「店を信用しすぎているのか、個室でもないのに半沢も渡真利も機密情報をべらべらしゃべりすぎな点。情報漏洩が非常に気になるところです」
妻の奥様会は本当にあった
「社宅の付き合いや奥様会は実際にあります。ほとんどが社宅の維持や管理を円滑にするための集まりで、ドラマのような夫の立場や出世を意識した付き合いはしていません。ただのママ友です」
「メガバンククラスでしたら昔はドラマのような『奥様会』もあったようですがそれでも極めてまれです。もし、『奥様会』があったとしても半沢の年収から考えると少々痛い出費かもしれませんね」
「死んでも嫌だね!」
メガバン頭取なら報酬1億円も!?
「ドラマで描かれている『東京中央銀行』は規模がかなり大きく、国内トップのリーディングメガバンクのようですから頭取の報酬はかなり高く、中野渡頭取(北大路欣也)なら7000万~1億円くらいかなと思います」
「派手にお金を使ったり、浪費グセがあるとほかの行員らからはよく思われません。例えば“職場にロレックスをしていく”なんてことはご法度」
「お客様から信頼してもらうためにも華美になりすぎることはよしと思われていません。かといって、地味すぎてもだめ。半沢のスーツは派手すぎず、いつもピシッとしていて、まさに理想の銀行マンの装い。一方、証券会社の森山(賀来賢人)は細身のスーツを着ていましたが、銀行であまり好まれません。しかし、証券会社は株の売買が仕事。顧客に羽振りよく見せるためにも銀行よりも華やかな格好をしている傾向があります」
「みなさんが思っているほどの派手さはないです。若い行員たちはコツコツと貯金」
「半沢は根っからの銀行マンですね。仕事ぶりや考え方も。できることなら彼のような仕事をしたかったですね」
「大事なのは感謝と恩返し」
お話を聞いたのは……望月良友(もちづき・よしとも)さん。独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)。地方銀行で25年以上勤務ののち現職。資産形成・運用・保険・相続および借り入れ等をアドバイス。個別面談のほかオンラインも活用して各種セミナーなどで講師も務める