好きなミュージシャンはB'z。息子さんや若者と接する機会が多いので、最近、シニア男性とは話が合わず場が持たないとお嘆きも!?
『週刊女性』読者にとって中山麻理さんといえば、テレビドラマ『サインはV』で毎週、ドキドキさせてくれた女優。端正な美貌と抜群のプロポーションで注目の的だった。
気ままな“セミおひとりさまライフ”満喫中
70歳となった現在もスタイルをキープ。ふわりとしたロング丈ワンピースに身を包み、ストレートの茶髪をなびかせて登場した中山さんは女優オーラ全開で、とてもファッショナブルだ。洋服や小物をどこで買うのかと訪ねると、なんとフリマアプリ『メルカリ』に夢中とのこと!
「最近ハマっていて、もう100個ぐらいメルカリで買っちゃった。たまに新品と書いてあるのにダマされたりするけど、派手で個性的なものがいろいろ見つかるからうれしくて。服や小物は気に入れば、どこで買うかは問題じゃないのよね」
と、中山さんは笑う。
51歳のときに離婚、シングルマザーとして3人の息子さんを育て上げた。現在は三男で俳優の中山麻聖と2人暮らしだ。母子とはいえ、大人同士ゆえ生活のリズムはてんでバラバラ。
そんな“セミおひとりさまライフ”を中山さんはどのように過ごしているのだろうか?
「昔からマイペースで、自分の好きなように暮らしています。食べたいときに食べて、寝たいときに寝る。食べ物は節制しないし、サプリメントもとってません。身体にいいことなんて何もしてないの。ただ、お酒は若いころ、やんちゃして失敗したことがあって、結婚前にはやめました(笑)」
もともと身体が丈夫なうえに体調不良に鈍感なタイプ。中山さんが言うには、「風邪をひいても、熱が38度5分以上にならないと病院へ行かない」ほど。ただ、この夏は久しぶりに舞台の仕事に取り組んだところ、初日の前日、片目がひどく充血していた。傷がついたのか、感染症にかかったのでは、と周りを心配させる事態に。
「でも、眼科に行ったら“もうお年だからね、疲れてるんでしょう”と言われて、衝撃を受けましたね。今回は初日に向けて、芝居をどう組み立てていくかをつかむ勘が戻らなくて。自分では気づかないところで老化しているのね。自己チューだからふだんストレスも感じないんだけど、プレッシャーだったみたい。
そういえば、インフルエンザにかからない自信があって、いつも予防接種を受けていなかったの。そうしたら2年連続でかかってしまって。病院で“自信は捨てて。高齢者向けの予防接種割引券が届いているでしょう”と怒られました。昨年受けたら、さすがにかからなかった(笑)」
ニューヨークで白熱のテニス観戦
自由気ままに、好きなことに一直線のエネルギッシュな日々を送る中山さん。
特に、この6~7年ほどはテニスにハマり、なかでも世界ランキングでトップを走るラファエル・ナダル選手に夢中だそう。
「テニスのルールさえ知らなかったのだけれど、テレビでグランドスラム(4大大会)を初めて見たらおもしろくて、全試合を見ても飽きなかったの。これは、現地で観戦したいと思って、ひとりで全米オープンに行ってしまいました」
ナダル選手が好きな理由は、試合展開によっては手を抜いてセットを捨てる選手がいる中で、常に全力で戦うファイターだから。
生観戦した最高峰のテニスに感動し、以来、毎年のようにナダル選手を追いかけている。それも、ひとりでだ。
主な行き先は、観戦チケットが入手しやすい全米オープンの開催地、ニューヨーク。航空券も宿も自分で手配し、2週間ほど滞在するのが定番だ。準々決勝から決勝まで、ドリンクや食べ物をクーラーボックスに詰め込み、座布団持参で会場に出かける。
「準々決勝は昼の部と夜の部に分かれていて、もちろん両方見るから帰りは夜中の12時ごろですね。テニスのない日はブロードウェイへ行ってミュージカルざんまい。こちらも昼と夜で2本ハシゴして、移動の合間に『サブウェイ』のサンドイッチで腹ごしらえしたりしてます」
というハードな日々。宿は、なんと1泊3000円前後の日本人向けシェア・アパートとか!
「宿泊客は若者ばかりなので、初めて私が行ったとき日本人のオーナーがビックリしてた(笑)。どうせ寝に帰るだけだから、ほかのことで贅沢したい。宿の若者たちと遊びに行って、朝4時ごろ帰ったりすることも多いし」
英語が話せなくてもオールオッケー!
さらに驚くのが、これほど自由な旅をしているのに、中山さんはほとんど英語を話せないという。家では字幕つきでアメリカのドラマを見ていることもあり、言われたことは多少わかるが、自分から伝えるときはジェスチャーがメインだと話す。
「例えば、虫刺されの薬を買うときは、店の人に蚊がぷ~んと飛んできて腕に止まって、そこをパンと叩いてかく仕草を見せたら、まず日本の蚊取り線香が出てきたんですよ。“ノー、アフター”と言ったら、かゆみ止めがちゃんと出てきた。
バスの時刻表がないときは、係の人に“フィフティ、フィフティ……”と繰り返し言い続けたら理解して、“ノーノー、トゥエンティ、トゥエンティ”と答えてくれて、つまり20分おきの運行ってこと。短い言い回しでも意外に通じるんですよね。
もしも相手がペラペラ話し始めても“スロー”といえば、ゆっくり話してくれるし、それでもわからなかったら紙に書いてもらいます」
言葉の壁を軽やかに乗り越え、自分の好きなことをとことん楽しみながら、異なる世代ともふれあえる。まさに旅の達人! ちなみに、スマホでイイ男の写真を撮るのも、海外旅行の楽しみのひとつとか。
「亭主がいないおかげで好きに暮らせているの」
と、楽しげな中山さん。
幸せなおひとりさまライフを送るためには、自分の好きなこと、好きなものだけを選ぶことが肝心。その基準は人それぞれで、中山さんはゴーイングマイウェイを貫いている。
「人にどう思われようと気にしないんです。息子たちも私の性格をわかっていて、人に迷惑をかけさえしなければ、何も言いません」
せっかくのおひとりさまライフは、自分が無理をしないでいられることがいちばん大切と言えそうだ。
〈PROFILE〉
なかやま・まり ◎'67年にデビュー。テレビドラマ『サインはV』で人気を博し、多数の映画、テレビドラマに出演。'80年に結婚して芸能界を退いたが、離婚した'99年に復帰。この夏は『ミュージカル アルプスの少女ハイジ』にロッテンマイエル役で出演中。8/25川崎市民プラザ、8/26府中の森芸術劇場、9/24クレアこうのす、10/6保谷こもれびホールで上演