初期のトップ画面(mixi提供)
機能は日記、コミュニティ、ゲームなどを中心に多岐にわたる。自分以外のユーザーはマイミクシィ、通称『マイミク』として登録。リアルの友人はもちろん、ミクシィ内で出会った人など、交流の幅は無限に広がっていった。
さらに面白いのが相手のページを訪れると“見たよ”という合図となる「足あと」機能が反応すること。
「いちばんはコミュニティに代表される交流でしょう。友人や同級生など仲のよい人たちはもちろん、趣味、考え方、面白いと思ったジャンルで集まる人、半分閉じた世界で安心して出会えたのは大きい」
コミュニティに参加、ドはまりしたあのころ
「ジャンルごと、アーティストごと、考え方ごと、学校ごとなどで部屋(コミュニティ)が作れた。そこに入れば共通の話ができ、参加者同士が仲よくなっていったんです」(三上さん、以下同)
「正直、最盛期のようにユーザーを獲得するのは難しいでしょう。残念ながらインターネット上のサービスの栄枯盛衰は機能のよしあし、メリット・デメリットじゃないところにあるんです。集うユーザー数です。利用者が減れば盛り下がり、ほかのソーシャルメディアに流出する。それはミクシィに限らずほかのSNSでも同様。新陳代謝が起きるのは自然なことです」
いま、ミクシィをやるわけ
「ニュース記事を読んだり、好きなアイドルの情報を探すことがメインですね」
「初めてのSNSがミクシィなので学生時代を思い出すような純粋な気持ちで思いを打ち明けられるんです。ほかのSNSは見られすぎている感じがして本音が書きづらい」
「周りは理解してくれないので、同じバンドのファンと出会えてうれしいです!」
「このコミュニティこそが現代人に必要なんです。多くのSNSは個人間ではつながれるけど、同じ場所を拠点に集まることはできない。居場所がないと困っている人たちはミクシィのような形のサービスが響きます」(三上さん、以下同)
「拡散です。『バズる』ことはできなかった。ただ、現在展開されているSNSの多くにミクシィを彷彿とさせるサービスが備わっているんです。誕生がもう少し遅かったらもっと広がっていたでしょう。早すぎたのかもしれない」
現在はツイッター幽霊ユーザーの本音
「利用当時はワールドカップのペイントした顔の写真をアップしたり、日記もまじめに書いていました。それに個人的なコミュニティを作り、友達と集まって掲示板に書き込みをして……いまでいうLINEグループのような使い方をしていましたね」
「フォロワーの多くがマイミクだったんです(笑)」
「日記やコミュニティに書き込み、交流するなど自分の使い方を見つけ、生活の一部として利用している人が多いです。“やめると交流がなくなっちゃうんだよね”という声もよく聞きます。サービス機能だけでなく、そこでできあがった人間関係を大切にしている人たちがたくさんいるんです。登録者数のピークは過ぎていますが、安定して使い続けていただいていますよ」
リモート飲み会で昔の日記を
「私たちはこの先20年、30年続けていく中で1度は離れたけどまた使ってみたい、という方やシニア層などにも気軽に使ってもらえるよう改良を重ねていきます」
「リモート飲み会でミクシィを見て、昔の日記を読むと盛り上がりますよ。恥ずかしくなることや懐かしいことも書いてあるはずです。みなさんが情報を蓄積してきたからそういう楽しみ方もできるんです」(渡部さん、以下同)
「そうすればまた、将来への楽しみができます」
お話を聞いたのは……ITジャーナリスト ・三上洋さん●専門はインターネットのセキュリティーやネット事件など。ほかにもスマートフォンやネット動画、携帯料金などにも詳しい。番組を制作、配信するほかセミナー講師なども務める