写真:左から杉咲花、福士蒼汰 撮影/廣瀬靖士
話題の映画『無限の住人』で共演する福士蒼汰(23)と杉咲花(19)のツーショットインタビューが実現! 劇中では敵対する関係にあるが、実は同じ事務所の先輩後輩で、取材中は仲睦まじい関係性が伝わってきて──。
福士「杉咲さんはいつもニコニコしていて。あと、すぐ笑うんです。何言っても笑ってくれるから、すごくリラックスできます」
杉咲「福士くんは年齢的にお兄さん的存在です。すごく面白いんですよ」
(福士の顔をじっと見て笑いだす杉咲)
福士「ほら、また笑った(笑)。自分も杉咲さんは妹みたいだなって。姉が2人いるんですが、ずっと妹が欲しかったから、こうやって一緒に作品に出られてうれしいです。でもマジメな話、後輩でもある杉咲さんから学ぶことって本当に多いんです」
杉咲「(テレながら)いえいえ……」
福士「特にお芝居に関しては学ぶっていうこと以上に、すごいなって思います。普段はヘヘヘって笑ってるのに、芝居になった瞬間、変わる。スイッチが入るのがわかるんです。そういうところはある意味、すごく嫉妬します」
先輩からの褒め言葉に恐縮しきりの杉咲だが、昨年公開された『湯を沸かすほどの熱い愛』での演技が高く評価され「第40回日本アカデミー賞」新人俳優賞など数多くの賞を受賞した。
杉咲「本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。受賞させていただいて私の中で何か大きく変わったというよりは、“もっともっと作品と向き合っていきたい”という意識がより高まった気がします」
福士「自分は“思いを伝えられる”役者になりたい。どう演じていても、伝わらなかったら意味がないかなと思うんです。逆にどう演じていても伝わる役者さんはすばらしいと思います。最近はそれをすごく意識しています」
杉咲は現場で福士の“先輩”としての立ち居振る舞いから学ぶことが多かったとか。
杉咲「福士くんが現場ですごくナチュラルに人と話しているのを見て、すごいなって。今回も、クランクインが早かった私よりもなじむのが早くて。誰に対しても優しくて、現場ではみなさんに愛されていました。秘訣は何ですか?」
福士「う~ん……ないよ(笑)。でも、三池(崇史監督)組が2回目だったから、そこが大きいと思います」
杉咲「でも、ほかの現場でもすぐ打ちとけています。私、人見知りの方がいると、どうしてもうつってしまうんです」
もともとは自身もシャイだったと福士。そんな彼を変えたのはドラマ『恋仲』、映画『ストロボ・エッジ』『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』などの“主役作品”がきっかけだったそう。
福士「人に興味があるんです。でも、なかなか自分から話しかけることができなかった。それでも主演をやらせていただくようになって意識が変わりました。自分から話しかけに行くことで周りの空気も変わるんです。相手に合わせて話しかけるネタを探してそこをつつきます」
ちなみに、杉咲ならどこを“つつく”か聞いてみると……。
福士「杉咲さんはきっとどこをつついても大丈夫です(笑)」
杉咲花が10代でしておきたいこと
二人は事務所が同じ。接点は?
福士「事務所も同じだし、昔はレッスンを一緒に受けたりもしました」
杉咲「5~6人で演技の指導を受けたりしたんです。私は2011年に今の事務所に入ったんですが、そのとき『仮面ライダーフォーゼ』の主演に福士くんが決まってレッスンに参加できなくなってしまったので、入れ違いみたいな感じでした」
左から福士蒼汰、杉咲花 撮影/廣瀬靖士
福士「そういえば、今回の現場で勉強してたよね」
杉咲「そうなんです。撮影していたときはまだ高校生だったので……」
福士「高校生!?」
杉咲「定期テストの勉強をしていたんです」
福士「(自分が演じた)天津が勉強を教えてる、みたいな写真を撮ったりしたよね」
──実際に勉強を教えてもらったりは?
杉咲「それは……なかったですね(笑)」
多くの先輩たちの姿を見て、まだまだ成長中という杉咲。現在19歳で10代もラストスパート! 今、しておきたいことは?
杉咲「私は10代特有のキラキラしたものをすごく感じていて。どこか青いというか。それはきっと今しかできないし、今の自分にしか出せないと思うんです。10代のうちに、そういったものをできるだけたくさん残したいなと思ってます」
福士「そうなんだ。自分は10代のときはできないことばかりだったなって。責任もまだ自分で負えないし。今、何するべきというよりも、20歳になったら何しようって考えるのもいいと思います。20歳になったらやりたいことはないの?」
杉咲「やりたいことというか、お酒が飲めるようになって、二次会にも参加できるようになるのがすごく楽しみ。“今”みたいに、これまでできなかった話もたくさんできると思うので。今から待ち遠しいです」
<映画情報>
『無限の住人』4月29日(土)GW全国ロードショー
実写化不可能とされていた大人気コミックが原作。主人公は死にたくても死ねない不死身の男・万次(木村拓哉)。両親を殺され、その復讐に生きる少女・浅野凜(杉咲花)に出会ったことで、彼女の仇討ちを手伝うことになる。だが、2人の前に天津影久(福士蒼汰)率いる最強の剣客集団が立ちはだかり……。