テリー伊藤も乗っかる“から揚げ”バブル
《昨年くらいからやたらから揚げ店増えてない?》《タピオカ屋が消えたと思ったらから揚げ店が出来てた》などの声が多く上がっている。
から揚げ店急増の秘密
「最低だと35万円あれば開業が可能なんです。一般的な飲食店だと700万円はかかります。から揚げのテイクアウトのみだと冷蔵庫とフライヤー(揚げ物を作るための調理器具)があれば開業できてしまうんです」
「テイクアウト用途なら店舗立地も駅近である必要もない。賃料が安めのエリアでも構わないんです。さらに店員の数も多くはいらない。人件費も抑えられます」
「調理が簡単なんです。飲食店の調理場経験がなくてもフライヤーがあれば誰でも同じ味が作れます。特別な技術がいらずに作れるというのも魅力のひとつですね」
「タピオカと違ってから揚げはいつの時代も人気の食べ物ですからね。店舗数は減るかもしれませんが、ブームが過ぎ去るということはないんじゃないでしょうか」
“金賞”多すぎ問題
《どのから揚げ店も金賞受賞している説》だ。
《え、からあげグランプリって 全部金賞なのかよ!!!! なんだこのカラクリ!!!! 逆に考えれば常に金賞を味わえるのか!!!》
「本当にうまいから揚げ店を決めるべく、2010年より毎年開催している人気投票企画です。
日本唐揚協会という団体が主催しているのですが、蓋を開けてみるとあの手この手の切り口で受賞させているのです。例えば《東日本しょうゆダレ部門》《西日本しょうゆダレ部門》などはまだわかります。《バラエティ部門》、《ニューウェーブ賞》、《ハイボールにピッタリの唐揚げ賞》などまであります」(全国紙記者)
《からあげグランプリ金賞受賞》
「エントリーした店舗すべてが受賞しているわけではありませんよ。金賞を多く見かけるのは、受賞企業が支店を増やしているというのも関係していると思います」
「まず、自薦他薦問わず、から揚げ店を募集します。今年は921店舗が応募してきてその中で書類選考をし、175店舗がノミネートとなりました。自薦他薦でエントリーが重複した場合はどちらかを無効にしていますし、ブラック企業、無店舗などもはずします」
「ノミネート費用は1万5千円ですが、それは授賞式イベントのライブ配信をするためで、どちらかといえば赤字です」
「私どもが協会を設立した2008年にはグルメサイトなどに《からあげ》のカテゴリーがなかったんです。美味しいラーメン屋さんのようにから揚げというカテゴリーを作りたかった。地方に行ったときに、美味しいから揚げ屋さんを回れるきっかけにしたかったんです。
ですから賞が多くなったのです。グランプリも、店舗を落とすためのものではなく、世の中に知ってもらう機会になればと考えています」